2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

現代語私訳『福翁百話』 第九十四章 「政体についての議論」

現代語私訳『福翁百話』 第九十四章 「政体についての議論」 一国の政府は、国民の公心を代表するものです。 国民の公心を代表させるのに、君主一人による場合もあります。 野蛮や半開の段階の独裁国家がそれです。 あるいは、君主制をとりながら憲法を定め…

現代語私訳『福翁百話』 第九十三章 「政府は国民の公心を代表するものです」

現代語私訳『福翁百話』 第九十三章 「政府は国民の公心を代表するものです」 人間の中には「公心」(公平な心)と「私心」(私的な利害による心)があります。 たとえば、昔の人の言葉に「自分がして欲しくないことを人にしてはいけません。」(「己の欲せ…

現代語私訳『福翁百話』 第九十二章 「お金以外に名誉ということがあります」

現代語私訳『福翁百話』 第九十二章 「お金以外に名誉ということがあります」 人間が欲しいと思うものが、この世においては宝とされます。 病気がなく健康であることや長生きすることはもちろん宝であり、経済的に豊かであることや高い地位であることや安ら…

現代語私訳『福翁百話』 第九十一章 「人間における出来事は難しいものだと覚悟すべきです」

現代語私訳『福翁百話』 第九十一章 「人間における出来事は難しいものだと覚悟すべきです」 人間の社会における物事は、すべて交互に交換するという原則に基づいており、苦痛や快楽や労働や安逸は相互に関係しあっていることが決まっています。 毎朝早く起…

現代語私訳『福翁百話』 第九十章 「偏執狂ということについて」

現代語私訳『福翁百話』 第九十章 「偏執狂ということについて」 ひとつのことに異常に執着すること、つまり偏執狂のことを、英語ではモノマニア(monomania)と言います。 マノマニアの人は、普通の人と精神は全く異なったところはなく、物事の大小や軽重を…

現代語私訳『福翁百話』 第八十九章 「古いものの実際の姿」

現代語私訳『福翁百話』 第八十九章 「古いものの実際の姿」 古い物や古い陶磁器、古い書や古い絵画、骨董品などなど、これらを宝として大事にするのはとても良いことです。 歳月が経つのとともに、だんだんとそうした品々は消滅し散逸して減っていってしま…

現代語私訳『福翁百話』 第八十八章 「昔の人が必ずしも卓越しているわけではありません」

現代語私訳『福翁百話』 第八十八章 「昔の人が必ずしも卓越しているわけではありません」 六十、七十歳以上のお年寄りは身体が丈夫で、起きるのも生活するのも何の不自由もない人が多いので、世の中の人は、昔の人は特別なもので、とても今の人は及ばないな…

現代語私訳『福翁百話』 第八十七章 「田舎の人が必ずしも正直な特徴を持つというわけではありません」

現代語私訳『福翁百話』 第八十七章 「田舎の人が必ずしも正直な特徴を持つというわけではありません」 田舎の人は実直で正直で子どものように純真で愛すべき存在であるとは、世の中の人が常に言うことです。 実際にも、そのような様子を見ることができます。…

現代語私訳『福翁百話』 第八十六章 「今の時代は世紀末や終末の時代ではありません」

現代語私訳『福翁百話』 第八十六章 「今の時代は世紀末や終末の時代ではありません」 終末の時代の世界だと今を言い、世も末だなどと言うのは、数千年も昔から今に至るまで、世の中の人がいつも口にすることです。 今も昔もその口調は同じであり、毎年毎年…

現代語私訳『福翁百話』 第八十五章 「種族としての人類の改良」

現代語私訳『福翁百話』 第八十五章 「種族としての人類の改良」 人間の世界の道理でしょうか、感情でしょうか、何千年何万年の間、先祖代々の遺伝の中に存在し、それぞれの人の骨身に徹している習慣は、その利害がどうであるかにかかわらず、簡単には変える…

フィンランドの教育事情とデンマークの福祉事情

フィランドの教育事情とデンマークの福祉事情についての講演があったので、聴きに行った。 両方とも、とても面白い話だった。 北欧の教育や福祉のありかたはすばらしいなあとあらためて感嘆。 特に、デンマークの事例には、本当に感銘を受けた。 デンマーク…

小話 もしもカダフィたちが

カダフィ大佐は拘束の銃撃戦で死亡、リビア全土解放宣言へ http://www.cnn.co.jp/world/30004337.html (まだ、ムバラクは存命だけど、将来、地獄でカダフィとムバラクとフセインの三人があったとしたら…) ムバラク 「私は腐敗はしていたかもしれないが、君…

現代語私訳『福翁百話』 第八十四章 「改革すべきものはたくさんあります」

現代語私訳『福翁百話』 第八十四章 「改革すべきものはたくさんあります」 物質的な事柄に関する改革について、ある学者はこんな説を説いています。 「今までの世界中の家屋を観察すると、二階や三階の家においては、台所は必ず一番下の階に設けてあります…

ナイチンゲール誓詞

ナイチンゲール誓詞 I solemnly pledge myself before God, and in the presence of this assenmbly, to pass my life in purity and to practice my profession faithffuly. I will abstain from whatever is deleterious and mischievous, and will not ta…

藻谷浩介 「デフレの正体」を読んで

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)作者: 藻谷 浩介出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/06/10メディア: 新書購入: 27人 クリック: 368回この商品を含むブログ (208件) を見る さまざまな統計データを…

現代語私訳『福翁百話』 第八十三章 「物質的世界の進歩や改善について」

現代語私訳『福翁百話』 第八十三章 「物質的世界の進歩や改善について」 進歩や改良は人生の目的です。 人生は、ただ前に進むのみです。 しかし、実際には、精神的な事柄は変えることが難しいものです。 一方、物質的な事柄は、改革しやすいものです。 知識…

現代語私訳『福翁百話』 第八十二章 「身体と精神の関係」

現代語私訳『福翁百話』 第八十二章 「身体と精神の関係」 人の寿命には限りがあります。 その寿命を全うさせるものは、ただ摂生という一つの方法があるだけです。 医学は確かなことを教えてくれますが、現代の医学というものは専ら物質的なことにおける科学…

絵本 「その手に1本の苗木を―マータイさんのものがたり 」

その手に1本の苗木を―マータイさんのものがたり (児童図書館・絵本の部屋)作者: クレア・A.ニヴォラ,Claire A. Nivola,柳田邦男出版社/メーカー: 評論社発売日: 2009/11/01メディア: ハードカバー クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る柳田邦男さ…

絵本 「少年の木 ~希望のものがたり~」

少年の木 ~希望のものがたり~作者: マイケルフォアマン,柳田邦男出版社/メーカー: 岩崎書店発売日: 2009/08/27メディア: ハードカバー クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る 柳田邦男さんが翻訳しているので読んだのだけど、とても良い絵本だった…

現代語私訳『福翁百話』 第八十一章 「空気は食べ物よりも大切です」

現代語私訳『福翁百話』 第八十一章 「空気は食べ物よりも大切です」 健康や清潔を保つために、食べ物や飲み物の良し悪しはもちろん大切なことです。 しかし、食べ物には一日三回という定まった量があるのに対し、空気を呼吸することは片時も止まることのな…

現代語私訳『福翁百話』 第八十章 「医者の言うことにはきちんと従うべきです」

現代語私訳『福翁百話』 第八十章 「医者の言うことにはきちんと従うべきです」 家庭生活や自分の身を守るために最も大事なことは、人間の身体についてのきちんとした学問的な理解と考えを持つことです。 病気にかかっても治療の一通りの筋道は理解しておい…

現代語私訳『福翁百話』 第七十九章 「学問の知識がないことの不幸について」

現代語私訳『福翁百話』 第七十九章 「学問の知識がないことの不幸について」 最近、ある友人の話にこんなものがありました。 ある大金持ちの夫人で、年齢もまださほど年でもない女性が、ある病気にかかって亡くなったそうです。 その病気の様子を聞くと、急…

現代語私訳『福翁百話』 第七十八章 「健康に関する科学の大切さ」

現代語私訳『福翁百話』 第七十八章 「健康に関する科学の大切さ」 「自分を省みて自分自身を知りなさい」ということは、人間の身体に対する健康科学・生理学の第一のモットーです。 さまざまな学問分野は、その範囲や効用は異なっておりますが、人として自…

小沢派に対する若干のつぶやき

どの時代も、それぞれにいろんな人々が、自分の時代の課題に取り組んできたのだろう。 その中で、本当に後世に光となった人とは、きちんとした根拠に基づき、理性や礼節や穏健さを常に心がけ、粘り強く取り組んだ人々ではなかろうか。 浅い自己満足の憤激や…

現代語私訳『福翁百話』 第七十七章 「子や孫の健康を続かせるにはどうすればいいでしょうか」

現代語私訳『福翁百話』 第七十七章 「子や孫の健康を続かせるにはどうすればいいでしょうか」 新たに自分の身を立て、会社や家を興すような人は、きっと精神も身体も丈夫で強い人であり、苦労して努力し、あらゆる困難を乗り越えてついに志を成し遂げた人で…

現代語私訳『福翁百話』 第七十六章 「国民の資産は国家の財産です」

現代語私訳『福翁百話』 第七十六章 「国民の資産は国家の財産です」 世の中の投資家や実業家は、財産を蓄えることに熱心で止まることを知らずにいます。 では、何のためにそれほどお金を集めるのかと尋ねるならば、答えに窮するようなありさまです。 冷淡に…

四つの問い

そういえば、だいぶ昔に読んだ臨死体験について様々な事例を集めた本の中に、こんなことが書いてあった。 人は死ぬ時に、大きな光のようなものから、以下のような質問を受けるそうである。 ・「あなたには死ぬ覚悟ができていますか?」 ・「あなたには死に対…

あるエピソード オリソン・マーデンの本の中に載っていた話

これは、オリソン・マーデンの本の中に載ってエピソードだけど、なかなか胸を打たれた。 昔、ある若者がいた。 その若者は、事業に行き詰まり、事業を畳むか、自殺するか、思い悩んで、公園のベンチに座りため息をついていた。 たまたま、隣のベンチに、ホー…

小沢裁判について若干のつぶやき

小沢裁判については詳しく調べてから判断したいが、小沢さんや小沢派がもともと法廷闘争に専念していて、菅降ろしをしていなければ、もっと多くの人が同情や擁護をしたのではなかろうか。 菅降ろしで小沢さんや小沢派にうんざりした国民も多いはず。 とはい…

現代語私訳『福翁百話』 第七十五章 「金持ちは必ずしも楽しいことが多いわけではありません」

現代語私訳『福翁百話』 第七十五章 「金持ちは必ずしも楽しいことが多いわけではありません」 貧乏は大変良くないことです。 家に財産がなくて、他の人に迷惑をかけたりするのは、第一、人間は独立して生きるべきだという、人として守るべき大切な事柄に反…