小沢裁判について若干のつぶやき

小沢裁判については詳しく調べてから判断したいが、小沢さんや小沢派がもともと法廷闘争に専念していて、菅降ろしをしていなければ、もっと多くの人が同情や擁護をしたのではなかろうか。
菅降ろしで小沢さんや小沢派にうんざりした国民も多いはず。


とはいえ、裁判そのものは公正であるべきだ。


小沢派は、見境もなくネトウヨと一緒になって菅降ろしに狂奔していたが、いまネトウヨ連中は小沢裁判で小沢さんに対して罵倒と嘲笑ばかり投げかけている。
ずいぶんな人々と手を組んだと言えるのではないか。
良識ある人々には見捨てられ、元々知性も品性も乏しい人々からはどのみち敵視されている。


とはいえ、小沢派にはうんざりして、特に菅降ろしの時は日本の癌とも思ったものだが、小沢派の見苦しい卑劣な行動と、小沢さん本人は一応区別すべきだろう。
誰であろうと、裁判においては公正な裁きを受ける権利がある。


小沢裁判は、焦点が小沢さんだけに、なかなか純然たる司法の問題としては扱われず、政治的な恩讐や闘争の焦点となってきた。
小沢派が、小沢裁判や菅政権当時の執行部の小沢さんに対する党員資格停止処分に対して、大変な憎悪と怨嗟を持ち、菅政権の間中、常に菅降ろしを画策して策動してきたことは誰の記憶にも新しいことだろう。


しかし、そもそも、東京地検特捜部が小沢さんの秘書を西松建設事件で起訴したのは2009年3月の自民党政権下。
陸山会事件も、起訴の日時は2010年2月、鳩山政権時代。
時系列の整理もできず、菅さんに怨みを向ける一部小沢派の頭はどうしようもなく悪い。 どちらも、菅政権の時代に起こったことではない。
また、陸山会事件で検察の不起訴に対して不服とし、強制起訴を決めた検察審査会は、どう考えても菅政権は全く無関係で、むしろ菅政権に対しても始終敵愾心を燃やしていた極右や右派の系列の人々が、報道によれば大きく関わっていたらしい。
いずにしろ、菅政権は関係なく、どうにもしようのなかったことである。


また、小沢派は党員資格停止処分に憤慨していたが、党員資格停止は、除籍・離党勧告と比べて一番軽い処分だ。
しかも判決までのこととされている。
党員資格停止処分による不利益は、代表選に立候補できなくなり、党からの資金面での援助で不利になるだけ。
巨万の富を持ち、すでに代表選に負けて当面は菅さんを支えるべきだった小沢さんに、何の不利益があったのだろう。
また、仮に何の処分もしないとすれば、それこそ自民党などの野党や国民世論からどれほどの圧力や反発があったかを考えれば、執行部が党員資格停止をしたことは、それほど憤慨されることだったのだろうか。
もし憤慨するならば、まずは小沢さんに対して処分を強硬に主張していた自民党などの野党やマスコミをきちんと論破し説得して、そうならずに済むようにすべきだったろう。
また、どう考えても、党員資格停止処分に対する報復としての菅降ろしはおかしな行為だったろう。


小沢派の嘘にはもうひとつある。
党員資格停止処分は六カ月間に限るという党の規約があるのに、菅さんらがそれを一方的に破ったという主張だ。
そんな規約はどこにもない。
内規に「原則として」そうと言っているだけ。
規約を破っているというならば、規約や倫理規則は民主党HPにも載っているので該当箇所を示せばいい。
しかし、小沢派は一度として、きちんと当該箇所を示すことなく、規約違反だと騒ぎたて、きちんと自分では根拠を確認することもない人々を煽動して、菅政権に対する憎悪や悪罵をかきたてた。


菅降ろしで、小沢派は何を得たのだろう。
良識ある国民から見放されただけではないか。
野田さんに代わっても、TPPや増税はかえって加速しているようだし、菅さんの掲げた脱原発への勢いはかなり殺がれて遠のいているようである。
小沢派は誤った私怨から無駄な国政の混乱を招いただけではないか。


小沢派がもし自らの誤りを慚愧し、菅降ろしが誤りだったことをきちんと認めるならば、良識ある国民も多少は見直すかもしれない。
だが、おそらくそんな良心や良識ある議員たちは小沢派にはほとんどいないだろう。
政策ではなく、私怨や権力欲だけで動く政治家には国民は冷淡で当然だろう。


とはいえ、小沢派にうんざりして冷淡になることと、誰であろうと裁判において公正な裁判であるべきことは、また別の問題である。
小沢裁判にはこの二つが混ざりがちなところが難しい。
小沢派に冷淡である人やうんざりしている人々も、小沢さん本人の裁判そのものはそのことと峻別して考えるべきだろう。