ガザ戦争から半年 雑感

もうすぐガザ戦争が始まって半年になる。 この半年間、ずっと違和感を抱いていることがある。 それは、あまりにも日本のメディアが、また多くの人々が、パレスチナ寄りに偏向しているのではないかということである。 もちろん、ガザの悲惨な状況を伝えること…

ざしきわらし、あるいは光の玉

先日、彼女と島根県に旅行に行き、途中島根に住んでいる友人と会った後、出雲大社に近い海沿いの温泉旅館に泊まった。 そこは、ざしきわらしが出るということで有名な旅館で、私も彼女も楽しみにしていた。 おもちゃを持参すると良いそうで、彼女は紙風船な…

吉塚御堂

吉塚御堂の三周年法要に行った。 吉塚御堂は、今までその存在すら知らなかったのだけれど、吉塚商店街の一角にある多文化共生のお寺で、ベトナム・ミャンマー・日本の仏教徒の各宗派の方々が協力して建立し維持している。 友人のOさんから今日の法要をお知ら…

古居みずえ『ガーダ 女たちのパレスチナ』を読んで

古居みずえ『ガーダ 女たちのパレスチナ』読了。 www.amazon.co.jp いろんなパレスチナ人のおばあさんたちの人生の聞き書きが収録されている。読んでいて、なんだか本当に気の毒になった。彼女たちにとっては、突然わけもわからず戦争に巻き込まれ、家族を失…

「家(HOME)」 歌詞の意訳・仮訳

昨年の年末、イスラエルで1000人のミュージシャンが集って人質の救出を願うコンサートが開かれた。 たまたま動画でその様子を見て、深い感動を覚えた。 動画に英訳の歌詞は映るものの、和訳がないようなので、かなり意訳しながら試みに翻訳してみた。 といっ…

高史明 「歎異抄に導かれて」を見て メモ

先日、NHKの「こころの時代」という番組で、今年の7月15日に91歳で亡くなった作家の高史明さんが出演した「歎異抄に導かれて」という2004年に放映された回が、再放送されていた。 高史明さんが人生の折々に歎異抄に触れて得てきたことをお話されていて、その…

『マッカーサー大戦回顧録』を読んで

先日、『マッカーサー大戦回顧録』上下巻(中公文庫)を読み終わった。 これはもっと分量の多い回想録の太平洋戦争と日本の占領政策に関連するところのみを収録した版だが、読んでいてとても面白かった。 感心したのは、その卓越した戦略的頭脳と、沈着冷静…

備忘メモ たまたま見た番組で印象に残った戦争に関連する話 (戦後78年)

8月になると戦争に関連した報道が多くなる。 今年も、たまたま見ていた番組で紹介されていた話のいくつかが、印象的だった。 ひとつは、岐阜のある方の話だった。 二歳の時に父親が出征し戦死し、戦後母親が女手ひとつで育ててくれたそうである。 とうとう父…

ワグネルの乱についての雑感

昨夜、ワグネルがプーチンに反旗を翻し、モスクワに進撃中という報道が流れた。しかし、今朝には、首謀者のプリゴジンはお咎めなしとされた上でウクライナに亡命ということで、あっさりと解決した。昨夜は、あまりにもロシアのクーデターに対して心配と期待…

消災吉祥陀羅尼(仏説熾盛光大威徳消災吉祥陀羅尼)

曩謨三満哆 母駄喃 阿盋囉底 賀多舎 娑曩喃 怛姪他 唵 佉佉 佉伵 佉伵 吽吽 入縛囉 入縛囉 盋囉入縛囉 盋囉入縛囉 底瑟娑 底瑟娑 至瑟哩 至瑟哩 娑發舎偌 娑發偌 扇底迦 室哩曳 娑婆訶 Namaḥ samantha buddhānāṃ apratihatā śāsananāṃ tadyathā: oṃ kha kha,…

メモ 陀羅尼等

不空羂索観音 oṃ padma-dhara-amogha-jayani suru suru svāhā. (蓮華を持し、間断なく調伏したまう尊に帰命したてまつる、消除したまえ、消除したまえ、幸あれかし) 如意輪観音 陀羅尼 Namo ratnatrayaya Namo ariya avalokitesvaraya Bodhisattvaya mahas…

メモ 請観音経 陀羅尼

請観音経 十方諸仏救護神呪 tad yathā uhuni mahuni tubhani tambhani aṇṭali paṇṭali śubiti panpaṇṭa rabāsiṇi tad yathā ili mili thiśuli kaphali kṣathivaṃkṣi candre mataṅke rakṣa rakṣa sarvasatva sarvabāyabi svāhā. tad yathā gati gati nigati ś…

Dhātovandanā その他 メモ

Dhātovandanā Vandāmi cetiyaṃ sabbaṃ sabbaṭhānesu patiṭṭhitaṃ sārīrikadhātu mahābodhiṃ buddharūpaṃ sakalaṃ sadā. Kalyāṇivihārāvandanā Āyācanāya maṇi akkhimahoragassa, yasmiṃ nisīdi bhagavā maṇimaṇḍapasmiṃ, tassopariṭṭhitam upaṭṭhita vītarāg…

NNNドキュメント 安倍元首相銃撃事件特集を見て

この前、NNNドキュメントで安倍元首相銃撃事件の特集があっていて、録画で見た。 その番組によれば、安倍さんの銃撃のとき山上氏は二回発砲していて、一回目から二回目の発砲の間に2秒半ぐらい時間があったそうである。その間に安倍さんの間近にいたSPが適…

平田篤胤 『霊の真柱』

平田篤胤の『霊の真柱』を読んだ。これは岩波文庫で、昔出版された頃に本屋で見て、いつか読もうと思いつつ、四半世紀ぐらい経ってやっと読んだ。面白かった。内容は、記紀について解釈し、その世界観を平田の観点から明らかにしているもので、特に黄泉と幽…

野田さんの安倍さん追悼演説を聞いて

今日、衆院本会議で野田佳彦元総理による、安倍晋三元総理の追悼演説が行われた。 リアルタイムには聞けなかったけれど、動画で視聴した。 正直、胸打たれた。 政治家の演説でこれほど感動させられることはあまり多くはないと思う。 政治的には立場を異にし…

安倍さんの訃報を聞いて

昨日、安倍さんの銃撃による訃報を聞いて驚いた。 私の数少ないモノマネのレパートリーの一つが、安倍さんのモノマネだった。たまにそれを使って人を笑わせたことがあった。また、一度だけ十年ぐらい前に実物を見たことがあった。そうしたことを思うと、昨日…

マルティアリスの詩 メモ

マルティアリスの詩で、以前も書いたが、気になっていたものがあった。 雑感 幸せな人生とは - elkoravoloの日記 当時はサリー伯の英訳までしか読めなかったが、ラテン語原文がちょっと読めそうな気がしてきたので、ラテン語原文をネットで探してみたら、見…

泉さんの話を聞いての感想

先日、知人の誘いで、泉健太さんのお話を聞きに行ってきた。初めて実物を見たけれど、さわやかな信頼できそうな人物のように感じられた。生活者目線の、生活安全保障ということを力説していて、物価上昇への対策や、家賃補助金を出す政策などを具体的にいろ…

ドラマ『オスマン帝国外伝』について

BS4で放映されていた『オスマン帝国外伝』のシーズン4の最終話を見た。シーズン4までなので、これですべて見たことになる。トルコでは2011年~2014年にかけて放映されたそうで、日本のBS4ではシーズン1が2019年に放映され、その時から視聴した。最後まで…

祖母と正信偈

先日、祖母の命日に、ひさしぶりに正信偈を読んだ。祖母は若い時に父親に先立たれ、そのあと息子を幼い時に事故で失くし、弟が戦死した。娘の一人(私の伯母)もわりと若くして亡くなったし、私の妹である孫にも先立たれたので、生きている間多くの悲しみや…

歎異抄第四条について

古典というのは、しばらくして読みなおすと、その時の状況によって、以前読んだ時はあんまり深く感じなかったことを感じさせられたり考えさせられたりすることがある。 私にとって、最近は歎異抄がそうだった。特に以下の第四条がである。 「一 慈悲に聖道・…

花祭りの日によせて

今日は花祭りの日で、日本では仏陀釈尊の生まれた日とされる。(スリランカなどではウエサカ祭の日とされている。) 私が通った幼稚園は浄土真宗のお寺さんがやっているところだったので、そういえばかすかな記憶でお花祭りの日には甘茶を注いだり歌を歌った…

怨みに報ゆるに徳を以てせよ

ロシアのウクライナに対する侵略戦争と、その結果としてのウクライナの被害や瓦礫の山を報道で見ていて、ふと思ったことがある。日中戦争のあとの、中国はまさに今のウクライナのような目に遭いながら、「怨みに報ゆるに徳を以てせよ」と言って、日本に対す…

「台湾の不思議な思い出」

「台湾の不思議な思い出」 旅行をすると、誰にでも少し不思議な思い出ができる場合がある。 あとで思い出すと、そのつど何かとても大切なことを教えられるような思い出が。 私も、かれこれ二十年ぐらい前に台湾をひとり旅した時に、こんな思い出があった。 …

311から11年

311から11年。この日が来るたびに、思い起して忘れないようにしなければと思うことが、私には三つある。 ①人間の想像力の弱さ。②誰にでもいつ何が起こるかわからないことへの謙虚さ。③世界中が助けてくれたこと。 の三つである。 ①は、主に以下の二つのこと…

色川大吉さんの訃報を聞いて

色川大吉さんの訃報を報道で知った。高校や大学の頃、色川さんの書いた歴史の本が好きでよく読んだ。民衆史、と言えばいいのだろうか、司馬遼太郎のような英雄の活躍ではなく、明治や昭和の時代の名もなき草莽の人々を描いた歴史は、とても胸を打たれ、多く…

終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』を見て

終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』を見た。五輪の関係か、民放では本当に戦争の歴史を語り継ぐ番組が今年は少なかったというか、ほとんど見かけなかったが気がするが、NHKはこうしたドラマや他にもいくつか特集をきちんとつくってくれてい…

戦没者の遺骨の追悼について

先日、録画していたTBSの「報道特集」を見た。戦没者の遺骨についての特集だった。 先の大戦で、海外で死亡した日本人は240万人だが、そのうち112人万人の遺骨は未だに収集されずそのままになっていること、そのうち30万人分が海中にそのままになっていると…

アヴェスタを読んでの感想

野田恵剛『アヴェスタ 原典完訳』(国書刊行会)を読み終わった。昨年刊行された日本初の原典からのアヴェスタの全訳で、なにせ640頁ぐらいあるので、なかなか読むのは大変だった。訳者はさぞかし大変だったと思う。アヴェスタは言うまでもなく、ゾロアスタ…