2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

現代語私訳『福翁百話』 第三十三章 「実学の必要」

現代語私訳『福翁百話』 第三十三章 「実学の必要」 勢いよく変化していくこの社会の現実を観察すると、学者・知識人の生活は必ずしも安楽なものではなく、そんなに学問などしていない人の中に、かえって大いに財産をつくり成功する人がいるだけでなく、学問…

現代語私訳『福翁百話』 第三十二章 「人間には学問・科学への理解や考えが必要です」

現代語私訳『福翁百話』 第三十二章 「人間には学問・科学への理解や考えが必要です」 文明は学問や科学の発達と歩みを共にしています。 学問によって発見された真理や原則を、人間の社会において応用することが、ますます広い領域となり、ますます緻密にな…

菅総理朝鮮学校無償化の審査再開へ 朝鮮学校への就学支援金適用の場合のコスト計算

菅首相、朝鮮学校無償化の審査再開を指示 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110829-OYT1T00610.htm このニュースについてのブログの一覧をざっと見たら、ほとんどが批判や罵倒の内容のようである。 多くのブログがこのニュースについて書かれている…

菅政権が一年三か月しか続かなかった理由  若干のラフな考察 叩き台として

菅政権が一年三か月しか続かなかった理由を、ちょっと考えてみた。 他にもいろいろあるだろうけれど、主な要因として、以下の四つが考えられるのではないかと思う。 一、参院の権力が強い制度的な条件下で、参院で過半数をとれなかったため。(ねじれ) 二、…

絵本 「やめて!」

やめて!作者: デイビッド・マクフェイル,柳田邦男出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2009/11/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (2件) を見る これはすごい絵本だった。 柳田邦男さんが翻訳しているから読んだのだけれど、本当…

現代語私訳『福翁百話』 第三十一章 「身体の健康な発育こそが大切です」

現代語私訳『福翁百話』 第三十一章 「身体の健康な発育こそが大切です」 父親や母親が子どもを養い育てることは、そもそも自然に備わっている親の真心であり、また親の義務です。 では、養育に際しての心がけはどうすべきでしょうか。 まず第一に、子どもが…

現代語私訳『福翁百話』 第三十章 「世話という言葉の意味を間違ってはいけません」

現代語私訳『福翁百話』 第三十章 「世話という言葉の意味を間違ってはいけません」 自分の人生において、すでに独立して自分の力で生活するようになった場合は、たとえ親子の間であってもむやみやたらとお互いに干渉すべきではありません。 ましてや、他人…

映画 「人間の條件」

人間の條件 DVD-BOX出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 2009/07/29メディア: DVD購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (18件) を見る 本当にすごい作品だった。 満州国の炭鉱での中国人労働者たちの現実。 日本の軍隊の現実。 ソビエトの現…

現代語私訳『福翁百話』 第二十九章 「成人になったならば独立すべきです」

現代語私訳『福翁百話』 第二十九章 「成人になったならば独立すべきです」 「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」「死ぬまで親の恩は忘れてはいけません」ということはもちろんのことではありますが、もうすでに適切な教育を受けて成人の年齢に達したなら…

mixi『菅首相を応援しよう!』コミュ初代管理人辞任のあいさつ

「mixi『菅首相を応援しよう!』コミュ初代管理人辞任のあいさつ」 今日、菅首相が首相を辞任することとなりました。 これを期に、私も当コミュの管理人を辞任します。 長い間、皆様には本当にお世話になりました。 ありがとうございました。 二代目の管理人…

現代語私訳『福翁百話』 第二十八章 「必要な分の衣食住が満たされても、人間の欲求はもっと大きくなるものです」

現代語私訳『福翁百話』 第二十八章 「必要な分の衣食住が満たされても、人間の欲求はもっと大きくなるものです」 もし、人生の目的は働いて衣食住の生活をきちんと満たしていくことだと言うならば、必要な分の衣食住が満たされれば人生の目的は達成されるよ…

現代語私訳『福翁百話』 第二十七章 「子どもは家の財産に依存してはいけません」

現代語私訳『福翁百話』 第二十七章 「子どもは家の財産に依存してはいけません」 「額に汗を流して働き稼いで、自分で生活する」ということは、私たちがどんな時も瞬時も忘れずにいるべきモットーであり、たとえどのような身分の人であっても、仮にこの世界…

現代語私訳『福翁百話』 第二十六章 「子どもに対して多くを求めてはいけません」

現代語私訳『福翁百話』 第二十六章 「子どもに対して多くを求めてはいけません」 子どもとして、親孝行すべきことのはもちろん言うまでもないことです。 母親の胎内から生れ出たその時から、父親と母親は心身を尽くして養育に努力してくれ、あらゆる子ども…

ロングフェロー 「人生の詩篇」(「人生讃歌」)  "A PSALM OF LIFE" Longfellow

ロングフェローの” A PSALM OF LIFE” を訳してみた。 この詩は、「人生讃歌」というタイトルで翻訳されている。 基本的に、私の訳は従来の訳とそんなに大意は違わないけれど、自分流に訳してみた。 かなり意訳してみた。 「人生の詩篇」 ― 若人の心がこの詩…

現代語私訳『福翁百話』 第二十五章 「日本の輝きを妨げる一点の曇り」

現代語私訳『福翁百話』 第二十五章 「日本の輝きを妨げる一点の曇り」 明治維新で新しくなった日本は文明国として、あらゆることを西洋から学んでいます。 政治・法律・文学・軍事はもちろん、経済や工業の分野から社会のありかたや人間のコミュニケーショ…

野口悠紀雄・幸田真音 「日本人が知らない日本経済の大問題」 

日本人が知らない日本経済の大問題作者: 野口悠紀雄,幸田真音出版社/メーカー: 三笠書房発売日: 2010/12/16メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 14回この商品を含むブログ (5件) を見る 対談形式なのでとてもわかりやすく、さらっと読める形で面白か…

サミュエル・ウルマン 「若さとは」(「青春」) Sammuel Ullman "Youth"

サミュエル・ウルマンの”youth”は「青春」という邦訳タイトルで有名な詩だが、ちょっと自分で訳してみた。 というのは、従来の訳だと、”a wireless station” と“the aerials”が普通に訳せば「無線局(無線装置)」と「受信装置」なのに、「駅」「霊感」と訳…

現代語私訳『福翁百話』 第二十四章 「夫婦はお互いに敬意を」

現代語私訳『福翁百話』 第二十四章 「夫婦はお互いに敬意を」 夫婦が一緒の家で暮していて、お互いに親しみや愛情を持つことは当然のことです。 さらにもうひとつ、なかなか他人がアドヴァイスしても届かないことではあるのですが、親しみや愛情だけでなく…

現代語私訳『福翁百話』 第二十三章 「苦しいことも楽しいことも」

現代語私訳『福翁百話』 第二十三章 「苦しいことも楽しいことも」 家族だんらんはこの上なく楽しい幸せです。 しかし、そもそもこの人間の世界の物事はすべて、交換の法則によってつくられており、どんなにささいな物事であっても、与えることなくして受け…

現代語私訳『福翁百話』 第二十二章 「家族仲良く」

現代語私訳『福翁百話』 第二十二章 「家族仲良く」 夫婦が仲良く一心同体で、思うことは率直に話し合い、お互いに相手のことばにはきちんと耳を傾ける。 ただお互いに話して耳を傾けるだけでなく、きちんとお互いの目を見つめ合って、目をみればすぐにお互…

ドラマ 「瞳スーパーデラックス」

瞳スーパーデラックス [DVD]出版社/メーカー: ビデオメーカー発売日: 2007/09/14メディア: DVD クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 胸打たれる、とても良いドラマだった。 本当に、一日一日が尊く、大切に、感謝しながら悔いなく過ごすべきだと…

現代語私訳『福翁百話』 第二十一章 「結婚相手の選択は慎重に」

福翁百話の二十一章を訳してみた。 この箇所は、今日では抵抗感を持つ人もいるかもしれない。 しかし、福沢の主眼は、優生思想というよりは、明治の頃まだ根強かった、家柄による差別を科学的な観点から払拭することにあったように思われる。 現代語私訳『福…

詩経 「桃夭」 エスペラント語訳

詩経の「桃夭」のエスペラント語訳をつくってみた。あらためて、とても良い詩だと思う。 「桃夭」 桃之夭夭 桃の夭夭(ようよう)たり 灼灼其華 灼灼たり その華 之子于帰 之(こ)の子 于(ここ)に帰(とつ)ぐ 宜其室家 その室家に宜し 桃之夭夭 桃の夭夭…

現代語私訳『福翁百話』 第二十章 「夫婦はずっと仲良く」

『福翁百話』の第二十章を訳してみた。 要するに、ここの章は自由恋愛を批判しているわけで、離婚を否定することに主眼があるわけではないことは注意して読むべきと思う。 他の著作で、福沢は主に男性の不品行について随分厳しく批判している。 自由恋愛の名…

山本おさむ 『わが指のオーケストラ』を読んで

わが指のオーケストラ (1)作者: 山本おさむ出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 1991/09/01メディア: コミック クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 戦前の聾唖者の苦労というのは、本当に想像を絶するものがあったと思う。 人と人とが解りあうこ…

詩経 「十畝之間」 エスペラント語訳

詩経の「十畝之間」をエスペラント語訳してみた。 のどかな、良い詩と思う。 詩経 「十畝之間」 十畝之輭兮 十畝の間 桑者閑閑兮 桑者閑閑たり 行與子還兮 子とともに行きて還らん。 十畝之外兮 十畝の外 桑者泄泄兮 桑者泄々たり 行與子逝兮 子とともに行き…

現代語私訳『福翁百話』 第十九章 「たった一つの言葉、たった一つの行為も、おろそかにすべきではありません」

現代語私訳『福翁百話』 第十九章 「たった一つの言葉、たった一つの行為も、おろそかにすべきではありません」 「大海の一滴」「九牛の一毛」という言葉があります。 世間の人が一般的に使う場合は、一滴の水は大きな海を増やしも減らしもしない、九頭の牛…

腰塚勇人 『命の授業』 を読んで

命の授業作者: 腰塚勇人出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2010/05/28メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (5件) を見る ふと、手にとって読み始めたのだけれど、本当に胸を打つ、すばらしいメッセージのこめられた本だった…

詩経「葛生」 エスペラント語訳

詩経の「葛生」をエスペラント語訳してみた。本当に胸を打つ詩だと思う。 “Kudzuoj kreskas” Kudzuoj kreskas kaj kovras dornajn arbojn, Konvolvuloj sternas en la tuta detruita lando. Mia amato ne estas ĉi tie, Kun kiu mi povas loĝi ? -Mi ĝisaten…

『詩経』 「采葛」 エスペラント語訳

『詩経』の「王風」の中の「采葛」のエスペラント語訳をつくってみた。 詩経は、中国最古の詩集で、とても素朴で良い詩の数々が集められている。 この「采葛」も、とても素朴な詩で、おそらく農作業中にうたわれた詩のようだが、一日恋人に会わないと、三カ…