2024-01-01から1年間の記事一覧

グテーレス国連事務総長、10.7から一年にあたっての声明  (全訳)

「グテーレス国連事務総長、10.7から一年にあたっての声明」https://un.org/sg/en/content/sg/statement/2024-10-07/secretary-generals-message-mark-one-year-the-attacks-of-7-october-2023-scroll-down-for-arabic-chinese-french-hebrew-russian-and-sp…

映画『主戦場』を見て

映画『主戦場』を見た。以前見たいと思っていたが、なかなか機会がなく、やっと動画配信サイトで見てみた。第二次大戦中の日本支配下の朝鮮半島における従軍慰安婦についての論争を扱ったドキュメンタリーである。慰安婦を否定する論者と、そうした事実があ…

戦争犠牲者をどう捉えるかの若干の雑感

先の大戦の戦争犠牲者については、いろんなとらえ方がありうると思う。 それらの人々の苦難や悲しみを思い、二度と戦争を繰り返さないようにするための教訓にするということは、毎年夏に必ずよく言われることである。 あるいは、靖国や護国神社に見られるよ…

祖父が戦争で人を殺さなかった理由についての考察

私の父方の祖父は若い時に七年間、赤紙が来て兵隊をしていたそうである。 これほど長期間の兵役は職業軍人以外はあんまりいなかったとも聞いた。 だが、祖父は一度も人を殺さなかったそうである。 「戦争で人を殺したことはあった?」と、夏休みに会った時に…

戦争に関する特集についての備忘メモ 2

最近見た、いくつかのNHKの戦争に関する特集についての備忘メモ: 『新・ドキュメント太平洋戦争 1944 絶望の空の下で』では、さまざまなエゴドキュメントから、1944年当時の庶民の体験や思いが再構成されていた。 サイパンの玉砕と、本土空襲が始まった様子…

松崎紀之助『くちなしの志士 淵上郁太郎の幕末』を読んで

松崎紀之助『くちなしの志士 淵上郁太郎の幕末』(文芸社、2021年)を読んだ。 この本は、先日、真木和泉の旧居の山梔窩を訪れた時に、その隣の売店で売っていたので、この本を知って読んでみた。 恥ずかしながら全然それまで名前も知らなかったのだけれど、…

ETV『昭和天皇 秘められた終戦工作』を見て

ETV『昭和天皇 秘められた終戦工作』を見た。南原繁が木戸幸一に終戦を進言し、木戸幸一から熱心に昭和天皇に進言し、6月22日以降たびたび昭和天皇への働きかけがあった様子が特集されてた。南原と木戸は、昭和天皇の決断による終戦と、その後は退位すべ…

雑感 「群青」について

谷村新司の「群青」を聞きたいと思ってアレクサにリクエストしたら、ヨアソビの「群青」が流れてきた。 両方良い曲なんだけれど、かたや昭和、かたや令和、って感じがする。両方好きな歌ではあるのだけれど、内容や背景がかなり異なる。 ヨアソビの「群青」…

2024年夏 戦争に関する番組 備忘メモ

備忘メモ: 今年も数多くの戦争に関する番組があったが、印象深いものが多数あった。 「夏井いつき “原爆俳句”を訪ねて」という番組は、近年発見されて長く忘れられていた、敗戦後十年ほど経った時に出版された『原爆句集』という本の中の、印象的な俳句の紹…

時論公論「記録が語る“戦犯裁判”」を見て

先日のNHK時論公論の「記録が語る“戦犯裁判”」に、潁川幸生さんというBC級戦犯として死刑になった方のことが紹介されていた。 https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024081510336 佐世保の相当ダムの建設に米軍捕虜265人が使役され、そのうち53人が死亡したこと…

漫画 高濱寛『ニュクスの角灯』を読んで

漫画『ニュクスの角灯』をやっと全六巻読み終わった。だいぶ前にEテレの『こころの時代』で作者の高濱寛さんの特集があり、なんだか胸打たれたので、実際に読んでみようと全巻買ってはいたのだけれど、なかなか暇がなくて集中して読めなかった。冒頭、戦時中…

本間正人『経理から見た日本陸軍』を読んで

本間正人『経理から見た日本陸軍』(文春新書、2021年)を読み終わった。 面白かった。 軍隊は予算が決定的に必要だそうで、日本陸軍も経理部が重要な役割を担い、大蔵省とさまざまな交渉をしながら、予算の調達とやりくりをしていたそうである。 本書の魅力…

映画『沈黙の前の叫びたち』(Screams Before Silence)を見て

ドキュメンタリー映画『沈黙の前の叫びたち』(Screams Before Silence)をやっときちんと視聴した。 10.7のハマスによるテロや性被害について、体験者や目撃者へのインタビューをまとめた映画である。 自分自身が人質となっている間にレイプされた証言や、多…

『ゆきゆきて、神軍』を見て

ドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』を動画で見た。とてつもなく重い作品だった。戦後四十年頃なので、今から四十年ぐらい前に撮影されている。ニューギニア戦線において起こった、終戦後の軍隊内部の殺人事件について、被害者のために加害者のもとを…

『でっちあげ』(「福岡市「教師によるいじめ」事件」)を読んで

漫画の田近康平(福田ますみ原作)『でっちあげ』を読んだ。 いわゆる「福岡市「教師によるいじめ」事件」についての作品である。 「福岡市「教師によるいじめ」事件」は、2003年に起こった事件で、当初アメリカ人の血を引く小学生の児童を「血が穢れている…

上野英信『天皇陛下万歳 爆弾三勇士序説』を読んで

上野英信『天皇陛下万歳 爆弾三勇士序説』(筑摩書房、1972年)を読み終わった。 爆弾三勇士は名前だけは知っていて、詳しいことを知らなかったので知りたいと思い、読んでみた。 最近、久留米の招魂社を訪れたところ、爆弾三勇士の碑があった。 それで、ず…

ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』を読んで

マフムード・ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』を読み終わった。著者は2008年に亡くなったパレスチナ人の詩人で、アラブ諸国では詩集が百万部以上売れたことがあるなど、高名な詩人だそうである。ただし、日本ではほとんど紹介されてこなかった。読んでみて…

泉健太さんとの質疑応答 メモ

今日、泉健太さんが福岡に来る集まりがあり、Tさんから誘われていたので、行ってみた。 泉さんとにえだ元氣さんが最近の状況などについてトークをして、そのあと質疑応答の時間があったので、私も以下の三つのことを質問してみた。 Q1,選挙制度改革につい…

ガザ戦争から半年 雑感

もうすぐガザ戦争が始まって半年になる。 この半年間、ずっと違和感を抱いていることがある。 それは、あまりにも日本のメディアが、また多くの人々が、パレスチナ寄りに偏向しているのではないかということである。 もちろん、ガザの悲惨な状況を伝えること…

ざしきわらし、あるいは光の玉

先日、彼女と島根県に旅行に行き、途中島根に住んでいる友人と会った後、出雲大社に近い海沿いの温泉旅館に泊まった。 そこは、ざしきわらしが出るということで有名な旅館で、私も彼女も楽しみにしていた。 おもちゃを持参すると良いそうで、彼女は紙風船な…

吉塚御堂

吉塚御堂の三周年法要に行った。 吉塚御堂は、今までその存在すら知らなかったのだけれど、吉塚商店街の一角にある多文化共生のお寺で、ベトナム・ミャンマー・日本の仏教徒の各宗派の方々が協力して建立し維持している。 友人のOさんから今日の法要をお知ら…

古居みずえ『ガーダ 女たちのパレスチナ』を読んで

古居みずえ『ガーダ 女たちのパレスチナ』読了。 www.amazon.co.jp いろんなパレスチナ人のおばあさんたちの人生の聞き書きが収録されている。読んでいて、なんだか本当に気の毒になった。彼女たちにとっては、突然わけもわからず戦争に巻き込まれ、家族を失…

「家(HOME)」 歌詞の意訳・仮訳

昨年の年末、イスラエルで1000人のミュージシャンが集って人質の救出を願うコンサートが開かれた。 たまたま動画でその様子を見て、深い感動を覚えた。 動画に英訳の歌詞は映るものの、和訳がないようなので、かなり意訳しながら試みに翻訳してみた。 といっ…