山本おさむ 『わが指のオーケストラ』を読んで

わが指のオーケストラ (1)

わが指のオーケストラ (1)


戦前の聾唖者の苦労というのは、本当に想像を絶するものがあったと思う。
人と人とが解りあうことの難しさ、解りあうことの大切さ・喜び。
多くのことを教えられるすばらしい名作と思う。

わが指のオーケストラ (2)

わが指のオーケストラ (2)


第二巻はちょうど大正時代の米騒動が出てくる。
あの時代の剥き出しの資本主義による不条理や苦しみというのは、本当に今からでは想像もつかないようなひどいものだったのだろうと改めて思った。



わが指のオーケストラ (3)

わが指のオーケストラ (3)

この巻もとても考えさせられる。関東大震災の時、聾唖者も数多く虐殺されたという話が出てきて、なんとも胸がつまった。人間を育てること、思いやりある心を持った人間を育てること。本当に大事と思う。



わが指のオーケストラ (4)

わが指のオーケストラ (4)




四巻で完結なのだけれど、本当に胸を打つ名作だった。
手話を守り抜いた高橋潔さんと大阪市立盲唖学校は本当にすごいと思う。
手話がこれほど学校教育で排斥された時期があったとは知らなかった。
名作。