色川大吉さんの訃報を聞いて

色川大吉さんの訃報を報道で知った。
高校や大学の頃、色川さんの書いた歴史の本が好きでよく読んだ。
民衆史、と言えばいいのだろうか、司馬遼太郎のような英雄の活躍ではなく、明治や昭和の時代の名もなき草莽の人々を描いた歴史は、とても胸を打たれ、多くのことを教えられた。
主に自由民権の歴史や、御自身が体験された昭和の戦争についての著書が多かったと思うけれど、中にはユーラシア大陸を横断した旅行記チベット旅行記などもあって、その幅の広さと豊かさがとても面白かった。
今の時代にはめずらしい、浪漫溢れると言えばいいのか、良い意味で専門に縛られない研究者だったのだろうと思う。
直接は一度もお目にかかったことがないのは残念だけれど、また時折御著書を読み直していきたいと思う。

 

https://www.asahi.com/articles/ASP976FPTP97UCLV00G.html?ref=gnp_digest