終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』を見て

終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』を見た。
五輪の関係か、民放では本当に戦争の歴史を語り継ぐ番組が今年は少なかったというか、ほとんど見かけなかったが気がするが、NHKはこうしたドラマや他にもいくつか特集をきちんとつくってくれていた。
この作品も、良い作品だったと思う。
ドラマでは若干大学の名称が変えられていたが、戦時中に起った九大病院における米軍捕虜生体解剖事件を描いた作品だった。
登場人物の名前も若干変えられていたが、主人公のモデルは鳥巣太郎だと思われる。
また、巣鴨プリズンにおいて同じ部屋という設定で登場していた冬木という人物のモデルは、冬至堅太郎だと思われる。
冬至堅太郎は福岡では有名な文房具屋さんのTOHJIの社長を戦後つとめた方で、戦犯として死刑判決を受けたものののちに釈放され、膨大な手記を残している。
その一部刊行されたものを以前読んだことがあった。
その手記の中に岡田資陸軍中将が仏教の勉強会を開いて多くの服役中の人々を勇気づけていたことが描かれいていたが、このドラマに出てきあ岡島陸軍中将のモデルは、岡田資だろうと思われた。
そうした記録をきちんとよく調べた上でつくられたことがわかる、良いドラマだったと思う。
どのような状況であれ、非人道的なことにはきちんと抗議し、拒否できる勇気を持つこと。
それがあの時代の大切な教訓の一つだとあらためて思った。