ドラマ 「百合子さんの絵本」を見て

先日、NHKであっていたドラマ「百合子さんの絵本」を録画していたので見た。


戦時中、ストックホルムに陸軍の駐在武官として赴任していた小野寺信とその妻の百合子について、回想録を元に描いた作品で、良い作品だった。


小野寺夫妻は、中立国スウェーデンストックホルムから、ドイツがソ連に侵攻しそうな情勢や情報など、正確な情報と予測を繰り返し日本本国に送るが、本国はいつもその情報を無視して的外れな外交方針を立て続けた。


戦況が悪化した頃、小野寺夫婦は、ソ連が対日参戦するという情報も把握し、その情報を本国に送るが、日本本国はその情報も無視し、ソ連に対米講和の仲介を頼むという的外れ極まりない外交政策をとり、いたずらに終戦の時期を遅らせ、壊滅的な打撃を受けることになった。


正確な情報と予測を繰り返し発信し続けながら、全くそのことが役に立たず日本の破局を回避できなかった小野寺夫婦の無念は察するに余りある。


しかし、ドラマでは、そうではあっても、その時々にできる限りのことを尽くしたことも描かれて、胸を打つ内容になっていた。


また、ドラマの中で、亡命ポーランド人のイワノフという人物と小野寺夫婦の友情が描かれていて、作中ではイワノフをドイツから守るためにさらに亡命させるところまでしか描かれていなかったが、ネットで調べてみると、イワノフは無事に戦後も生きのび、カナダで暮して、戦後に小野寺夫婦と再会し、終生交友を続けたそうである。


歴史の流れの中では、どれほど正しい意見や情報を指摘しても、それが必ずしも生かされないどころか、全く逆方向に世の中が流れてしまうことがあるけれども、その中でも精一杯できる限りのことを尽くせば、何かしら悔いのないささやかな誇りのようなものは残り得るのかもしれない。


いつか、小野寺夫婦の回想録も読んでみたいと思った。


http://www4.nhk.or.jp/yurikosan/