志賀直哉 ちくま日本文学

志賀直哉 [ちくま日本文学021]

志賀直哉 [ちくま日本文学021]

とても面白かった。
この前、『暗夜行路』を二十年前に買ったのを見つけてやっと読破して、意外にもとても面白く、志賀直哉をもっと読みたくなってこの短編集も読んだのだけれど、すばらしかった。
なんといえばいいのだろうか。
のほほんとしていて、笑えるところもあって、くつろいでいるようで、かつ「仕事に対する意志」がしっかり存在し、わかりやすい平明な言葉なのに、珠玉のような作品にしあがっている。
稀有な小説の数々と思う。
高校の頃は、どうも志賀直哉を読む気がしなかったのだけれど、いま考えてみればもったいないことだったと思う。
もっとも、この味わいがわかるのは、ある程度年をとってからなのかもしれない。