- 作者: 金子大栄
- 出版社/メーカー: 法蔵館
- 発売日: 1976
- メディア: ?
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
すばらしい本だった。
無限と有限の対応としての浄土教。
そのことを、平明なことばでわかりやすく説いてあり、目からウロロコなことが多々。
浄土教は「我」のみではなく「我ら」の問題として、この人生の悩みや人生そのものを問題としたところに生じるもの、
という指摘は、なるほどーっと思った。
業感縁起の外に出ようとすること、つまり、この世から救われたいという要求がなければ、浄土教は聞こえてこないというのも、たしかにそのとおりと思った。
「浄土へ往くことは、浄土の徳を来たらしめること」
という言葉も、なるほどと思った。
天分たのむべからず、
小成に安んずべからず、
師と人とを畏れよ、
というのも、なるほどと思った。
大経における浄土は音楽で、観経における浄土はイメージだという話も、非常に面白かった。
聞と観の交わるところに、対応・値遇ということもあるのだろう。
多くの刺激を受ける、すばらしい本だった。