仏典 諸経

「後出阿弥陀仏偈」 現代語私訳

「後出阿弥陀仏偈」の現代語訳をつくってみた。 「後出阿弥陀仏偈」は、一切経に含まれているものの、誰がつくった偈なのかも不明で、不思議なお経である。しかし、今回訳していて思ったのは、とても深い、不思議なお経だということだった。特に末尾の、お互…

「比丘避女悪名欲自殺経」

「比丘避女悪名欲自殺経」の書下し文をつくってみた。 また、現代語訳も試みてみた。 短いお経だが、とても興味深いと思う。 「比丘避女悪名欲自殺経」 西晋沙門 法炬訳す かくの如く我れ聞けり。一時、仏、舍衛国、祇樹給孤独園に住(ましま)しき。 時に異…

「仏説五十頌聖般若波羅蜜経」

「仏説五十頌聖般若波羅蜜経」の書き下し文をつくってみた。 今まで書き下し文はなかったようで、そのためかほとんど読まれていないお経だと思う。 とても簡潔に仏教のエッセンスを伝えているお経だと思うし、本文の中でこの経典を読誦すれば速やかに悟りを…

後出阿弥陀仏偈

後出阿弥陀仏偈 法比丘を惟念(おも)うに 乃(すなわ)ち世饒王に従い 発願すること喩えば諸佛のごとく 二十四章を誓う 世世諸仏を見ること 姟数量ること有るなし 宿命の行を廃さずして 功徳遂に具成す 世界は清淨と名づく 仏を得て号は無量 国界平夷にして…

「心の塵についての教え」(「仏説法受塵経」 現代語私訳) 

「心の塵についての教え」(「仏説法受塵経」 現代語私訳) 後漢の時代、パルティア(今のシリア・イラン)出身に三蔵法師・安世高が翻訳しました。 このように聴きました。ある時、釈尊は、コーサラー国の首都・シュラーヴァスティーにある祇園精舎に滞在し…

仏説無常経 偈文 現代語私訳・意訳

仏説無常経 偈文 現代語私訳・意訳 自分以外の世界の物事は、どれほど美しくとも、すべて皆結局は壊れていくものである。 自分の心や体もまた同じで、いずれ衰え老いて変化していく。 ただ真実の教えのみがずっと存在して決して滅亡しない。 智慧のある人々…

仏説無常経 偈文  

「仏説無常経 偈文」 外事の荘彩は咸(みな)壊に帰す 内身の衰変もまた同じく然(しか)り 唯(ただ)勝法のみ有りて滅亡せず 諸の有智の人はまさに善く察すべし この老病死を皆共に嫌ふ 形儀醜悪にして極めて厭ふべし 少年の容貌暫時(しばし)住さんも 久…

鉄眼禅師 仮字法語 (全文)

鉄眼禅師の『仮字法語』が、ネット上のどこにもテキストがなかったようなので、タイピングしてみた。 本当に素晴らしい内容と思う。 仏教の最良のわかりやすい入門書にして、その奥義をよく伝えたものだと思う。 鉄眼禅師は、江戸時代に一切経を多大な辛苦の…

仏説法受塵経

「仏説法受塵経」 後漢安息国三蔵安世高訳す 聞くこと是(か)くの如し。一時(ひととき)、仏舍衛国祇樹給孤独園に遊びたまふ。 仏諸の比丘に告げたまふ。比丘教を受けて仏に従って聴く。 仏比丘に言(のたまは)く、 「凡(およ)そ人、一法を為すに、塵を…

仏説稲芋経  (全文 書き下し文)

「仏説稲芋経」 失訳 東晋録に附す 是(かく)の如く我聞けり。一時(ひととき)仏、王舍城耆闍崛山の中に住したまひ、大比丘衆千二百五十人及び大菩薩摩訶薩衆と俱なりき。爾時(そのとき)尊者舍利弗、弥勒の経行処に至り、弥勒・舍利弗倶に石上に坐せり。…

仏説稲芋経  (白文)

「仏説稲芋経」 (白文) 欠訳附東晋録 如是我聞。一時仏住王舍城耆闍崛山中。与大比丘衆千二百五十人倶。及大菩薩摩訶薩衆爾時尊者舍利弗往至弥勒経行処。弥勒舍利弗倶坐石上。爾時尊者舍利弗問弥勒言。今日世尊覩見稲芋而作是説。汝等比丘。見十二因縁。即…

仏説略教誡経

「仏説略教誡経」 大唐三蔵義浄制を奉じて訳す。 是(かく)の如く我れ聞けり。一時(あるとき)仏、室羅伐城(舎衛城)、逝多林、給孤独園に在(ましまし)て、無量の苾芻(比丘)衆と倶なりき。爾時(そのとき)仏諸の苾芻に告げたまはく、汝等当(まさ)…

【ことばを離れたあまねく光り輝く蔵についての経】 (『大乗離文字普光明蔵経』 現代語私訳)

【ことばを離れたあまねく光り輝く蔵についての経】 (『大乗離文字普光明蔵経』現代語私訳) 唐の時代、インドから来た三蔵法師・ディヴァーカラが翻訳す。 このように私は聞きました。ある時、釈尊はマガダ国の首都・ラージャグリハのグリドラクータ(霊鷲…

大乗離文字普光明蔵経

『大乗離文字普光明蔵経』 大唐天竺三蔵地婆訶羅訳す 是(かく)の如く我れ聞けり。一時仏王舍城耆闍崛山の中に在(ましまし)て、大菩薩無量百千億那由他数と与(とも)なりき。皆是(こ)れ大智にして、善巧に精進し、無言法を証し、妙弁才を獲、是処非処…

一切経メモ

「大乗離文字普光明蔵経」メモ 離れるべきもの:欲貪、瞋怒、愚痴、我取、疑惑、憍慢、懈怠、惛眠、愛著。 護持すべきもの:自ら身命を愛してまさに殺生すべからず。自ら資財を重んじてまさに偸盗すべからず。自ら妻室を護りてまさに他を侵すべからず。 自覚…

「【立派な徳のある人が自覚すべき八つの項目】についての経」 (『八大人覚経 現代語私訳』)

「【立派な徳のある人が自覚すべき八つの項目】についての経」 (『八大人覚経 現代語私訳』) 仏弟子となった人は、どんな時も、昼も夜も、至誠を尽くして、この【立派な徳のある人が自覚すべき八つの項目】を読誦し思い続けるべきです。 第一 世の中・生命…

「八大人覚経」 全文

「八大人覚経」を、ネットで検索してもテキストが載っている場所が無いようだったので、全文タイピングしてみました。 短いお経ですが、本当にすばらしい内容と思います。 「八大人覚経」 仏弟子となっては常に昼夜において至心に八大人覚を誦念すべし。第一…

鉄眼の一切経 

鉄眼禅師についての以下の文章が、大正十二年から昭和十八年まで、ずっと尋常小学校の国語の教科書に載っていたそうだ。 とても胸を打つ、良い内容の良い文章だと思う。 今も多くの子どもや大人に読んで欲しいものだ。 第二十八課 鉄眼の一切経 (尋常小学国…

三十二相経、無諍分別経など 抜粋メモ

『三十二相経抜粋メモ』 ・ 善き教えの受持、身口意の善行為、布施、持戒、ウポーサタを行うこと、母・父への孝行、僧への恭敬、一族の長老への敬意、非暴力などさまざまなすぐれた行為を確固として遂行する。 七宝。 この行為を行い、集め、蓄積し、増大す…

慈しみの随念 拙訳

「慈しみの随念」(メッター・バーワナー) Aham avero homi, abyaapajjo homi, sukhii attaanam pariharaami. Sabbe sattaa averaa hontu, abyaapajjaa hontu, sukhii attaanam pariharantu. アハン アヴェーロー ホーミ、アビャーパッジョー ホーミ スキー…

清らかな心と幸せの偈

「清らかな心と幸せの偈」 (ダンマパダより) Manopubbaṅgamā dhammā manoseṭṭhā manomayā Manasā ce pasannena bhāsati vā karoti vā Tato naṃ sukham anveti, chāyā va anapāyinī. マノープッバンガマー ダンマー マノセッター マノーマヤー マナサー チ…

慈経 (メッター・スッタ)

“Metta Sutta” karaṇīyam attha-kusalena yantaṃ santaṃ padaṃ abhisamecca sakko ujū ca sūjū ca suvaco c' assa mudu anatimānī santussako ca subharo ca apakicco ca sallahukavutti anatindriyo ca nipako ca appa-gabbho kulesu ananugiddho na ca khu…

心の偈

“心の偈” Cittena nīyati loko - Cittena parikassati; Cittassa ekadhammassa – sabbeva vasamanvagū ti. チッテーナ ニーヤティ ローコー チッテーナ パリカッサティ チッタッサ エーカダンマッサ サッベーワ ワサマンワグーティ 心が生命を導いている。 …

業についての偈

「業についての偈」 Yādisaṃ vapate bījaṃ tādisaṃ harate phalaṃ, Kalyāna kārī ca kalyanaṃ pāpakārī ca pāpakaṃ. ヤーディサン ワパテー ビージャン ターディサン ハラテー パラン カルヤーナ カーリーチャ カルヤーナン パーパカーリー チャ パーパカン …

「アニッチャ・ガーター」(無常偈) Aniccā gāthā

「アニッチャ・ガーター」(無常偈) Aniccā gāthā Aniccā vata saṅkhārā, uppāda vaya dhammino; Uppajjitvā nirujjhanti, tesaṃ vūpasamo sukho. アニッチャー ワタ サンカーラー ウッパーダワヤ ダンミノー ウッパッジトゥワー ニルッジャンティー テーサ…

「慈しみの随念」(メッター・バーワナー)

「慈しみの随念」(メッター・バーワナー) アハン アヴェーロー ホーミ、アビャーパッジョー ホーミ スキー アッターナン パリハラーミ サッベー サッター アヴェーラー ホントゥ、アビャーパッジャー ホントゥ スキー アッターナン パリハラントゥ Aham av…

吉祥経 (Mangala Sutta)

「吉祥経」 以下のように私は聞いております: ある時世尊は舎衛城の祇樹給孤独園にお住まいでした。 その時、一人の容色麗しい天人が夜半過ぎに、 祇園を隈無なく照らして世尊のおられる処に近付きました。 近付いて、世尊に礼拝して、一方に立ちました。 …

人には得難いものが四つある メモ

(スマナサーラ長老『ブッダの実践心理学』第二巻よりメモ)釈尊は、 「汝らはこの瞬間を失うなかれ」 と説き、今ここで心を育て仏法を聞き実践することを説いた。その理由として、人には「得がたいもの」が四つあるからだと教えた。 その「得がたいもの」と…

「八つの精勤の原因」 等誦経より

「八つの精勤の原因」 「教義の集成」(等誦経)より (「原始仏典」(春秋社)第三巻 336〜339頁) 八つの精勤の原因がある。 友よ、ここに比丘の行うべき仕事がある。 彼は次のように考える。 「私は仕事をしなければならないであろうが、仕事をやっていて…

問うべき問い 小業分別経より

問うべき問い 小業分別経より・ 善とは何か? ・ 不善とは何か? ・ 有罪とは何か? ・ 無罪とは何か? ・ 何に従うべきか? ・ 何に従うべきでないか? ・ 何を行えば、私に、長く不利益となり、苦となるのか? ・ 何を行えば、私に、長く利益となり、楽と…