仏典 諸経

仏陀が教える長寿の秘訣

増支部経典第五集に、長寿の秘訣があったので、英語を参照しつつパーリ語を見て翻訳してみた。 「五つの長寿の秘訣について」 (増支部第五集より) 比丘たちよ、寿命を短くするものが五つあります。五つとは何でしょうか? 不適切な・利益のないことをする…

私訳歎異抄 後序

後序 以上のことは、すべて「はかりしれない光のいのち」の願いの働きに対する信心が間違っていることから起こったことでしょうか。 親鸞聖人が語られた御話に以下のものがあります。 法然上人がおられた時に、弟子が大勢いるなかに、同じ「はかりしれない光…

私訳歎異抄 第十一条〜第十八条

第十一条 文字も読めず知識もあまりない仲間たちが、「はかりしれない光のいのち」の名前を呼ぶ南無阿弥陀仏の念仏を称えているのに会って、 「あなたは「はかりしれない光のいのち」の願いの働きによって救われることを信じて南無阿弥陀仏の念仏を称えてい…

私訳歎異抄 第一条〜第十条

私訳歎異抄 第一条 「はかりしれない光のいのち」の願いによって救われる。 「はかりしれない光のいのち」の願いによって、小さないのちの迷いの繰り返しから脱け出て生まれ変わる。 ということへの理解に基づいた信心をいただいて、「はかりしれない光のい…

スッタニパータ 「没落についての教え」

スッタニパータの「没落についての教え」の章を、英訳からだけれど、翻訳してみた。 本当はパーリ語原文から翻訳するのがいいのだろうけれど、とりあえず重訳かもしれないけれど、英訳からやってみるのも勉強にはなると思う。これは、在家者にとっても、とて…

「念仏者の生き方の鏡」  (現代語訳・吹野清胤「念仏行者渡世のかがみ」)

「念仏者の生き方の鏡」 (現代語訳・吹野清胤「念仏行者渡世のかがみ」) 写(うつし) 南無阿弥陀仏 遺書 子や孫に届いた時に、心がけや理解のきっかけにでもなってくれればと思い、私が受けとめ理解したことのおおまかなことを、以下に書き記して残してお…

華厳経メモ その4

【離世間品】 「十種の奇特な想い」 一、 一切の善根において自分の善根のおもいを生ずる。 二、 一切の善根において菩提の種子のおもいを生ずる。 三、 一切衆生において菩提の器のおもいを生ずる。 四、 一切の願において自分の願のおもいを生ずる。 五、 …

吹野清胤 念仏行者渡世のかがみ

吹野清胤「念仏行者渡世のかがみ」という本をタイピングしてみた。明治二十一年に書かれた本らしい。 今は全く忘れられている本。しかし、本当にすばらしい、念仏者がこの世を生きていく上での心がけが明瞭に書かれた稀なる本だと思う。吹野清胤という人物が…

現代語訳 真盛上人 「奏進法語」

現代語訳 真盛上人 「奏進法語」 浄土に往生する御信心については、きっと御心においても日々に磨いておられることでしょう。 しかし、ご質問のことについて、少しだけ申し上げさせていただきます。 いつも念仏を称えて、その念仏の力によって浄土に往生する…

現代語訳 真盛上人 念仏三昧法語  (「念仏への集中についての御法語」)

真盛上人 「念仏への集中についての御法語」(現代語訳「念仏三昧法語」) 念仏に集中した状態に入ったならば、浄土がただちに現れます。 過去・現在・未来の如来たちも、日夜に一緒にいてくださるようになります。 さまざまな神々もいつも念仏を称えるとこ…

真朗上人法語

真朗上人法語 そもそも得生浄土の要道は、ただ安心の如何にぞありける。 それ安心とは即ち三心なり。 三心とは即ち一心なり。一心とは即ち、俯してこの身の拙なきを顧りみ、仰いでかの願の深きを頼み、口に南無阿弥陀仏と称ふるが即ち本願摂取の正定の業なり…

真荷上人法語

真荷上人法語 つらつら阿弥陀仏の大悲弘誓の深き事を思いめぐらすに、胸もだへて涙とどまらず。 誠なるかな、六八の大願(※阿弥陀如来の本願・四十八願のこと)は。 末世愚悪の衆生を救わんためにして、昔、無量阿僧祇劫の難行苦行も、その功ひとり名号にあ…

真盛上人 念仏三昧法語

真盛上人 「念仏三昧法語」 念仏三昧に入りぬれば、極楽もただちに現じて、 三世の諸仏も日夜にあい奉り、諸もろの神達も常に称名の床に来たりたまいぬ。わが日吉明神は同伴となりたまいて、思いと思い、心のままなり。 かかるめでたき念仏を、うき世の余所…

千観上人 極楽国弥陀和讃

千観上人の「極楽国弥陀和讃」をタイピングしてみた。 これもいままでネット上にテキストがなかった模様。千観上人は十世紀の比叡山出身の念仏者。 尊い人物だったらしい。 千観上人 「極楽国弥陀和讃」 娑婆の界(さかい)の西の方 十万億の国すぎて 浄土は…

真盛上人 奏進法語

真盛上人 「奏進法語」 御往生の安心は定めて御心に研(みが)かせ給ひ候わんなれども、承り候に付いて一端申 し参らせ候。 常には念仏を申し候うて、この念仏の力によりて往生せんずるぞと心得る、それも背かぬ事にて候えども、それは念仏と往生とが別のも…

メモ 華厳経 2

華厳経 メモ 二 「道は他に依って求むべきではない。自分の求める道は、自分自身の苦心と努力とによって発見しなければならぬ。」 (江部鴨村『口語全訳 華厳経』解題) 「あらゆる衆生の得るよろこびは、みな如来の神力によって生ぜしめられる。如来の無量…

利井鮮妙  八万法蔵章法話

利井鮮妙和上の『八万法蔵章法話』を読んで、感嘆のあまり、全文タイピングしてみた。 仮名遣い等を現代に読みやすくあらため、若干注をつけた他は、原文とおり。 明治の昔の本だけれど、とてもわかりやすい。 自力・他力のことは、現代人もとかく誤解しやす…

メモ 「観世音菩薩 遅滞のない大悲の門 華厳経」

「観世音菩薩 遅滞のない大悲の門 華厳経」 「善男子よ、私は遅滞のない大悲の門という菩薩行の門を知っている。 善男子よ、この遅滞のない大悲の門という菩薩行の門は、すべての世(界)を分け隔てずに衆生の成熟と教化に向かい、普門から聞き、知らせるこ…

メモ 「悟りに向けて発心するとは」(華厳経 ドラヴィダ人メーガ)

「悟りに向けて発心するとは」(華厳経 ドラヴィダ人メーガ) 「善男子よ、もし人が無上正等覚に向けて発心しているならば、その人は、一、 あらゆる仏の系譜(仏性)に関してはそれをたやさないように努める人であり、 二、 離欲の系譜(離欲性)に関しては…

メモ 「菩提心とは」(華厳経 サーガラメーガ比丘)

「菩提心とは」(華厳経 サーガラメーガ比丘) 「(菩提心とは)即ち、一、 一切の衆生を普く済度するための大悲心であり、 二、 一切の世の衆生を等しく幸福にするための大慈心であり、 三、 一切の世の衆生の苦悩の集合を鎮めるための安楽心であり、 四、 …

私訳 「慈しみの随念」

「慈しみの随念」を自分で翻訳してみた。本当に素晴らしい瞑想と思う。繰り返し日々に実践したい。 「慈しみの随念」 Ahaṃ avero homi, abyāpajjo homi, anīgho homi, Sukhī attānaṃ pariharāmi. 私は怒りなき心でありますように。 私から自他を害する心がな…

“A motto of happiness” (Ichirenin Shuzon, 19c Japanese Shin-Buddhist)

“A motto of happiness” (Ichirenin Shuzon, 19c Japanese Shin-Buddhist) I am happy to be born as a human being. I am happy to live in a peace world. I am happy to have five senses. I am happy to be well fed, well clothed and well housed. I a…

一蓮院秀存 「歓喜銘」

「歓喜銘」 (一蓮院秀存) 幸いに人界の生を得 幸いに泰平の世に逢う 幸いに五根を具足す 幸いに衣食住を得 幸いに誓いの強縁に遇う 幸いに易行の法を得 幸いに真宗の流れを汲む 幸いに真の知識に値(あ)ふ 幸いに大信心を得 幸いに無上の果に近し (現代…

ダンマナンダ長老 「仏教における人間の尊厳について」

「仏教における人間の尊厳について」(スリ・ダンマナンダ長老) 人間の尊厳という、このシンプルですが、しばしば混乱しているテーマについて、仏教の見地から、議論できる範囲で確認をしてみましょう。 人間の持つ性質において、尊厳や高貴さを育むものと…

哺多利経 八つのことがら

「生き物を殺害しないことによって、生き物の殺害は捨てられるべきである。 与えられたものだけを取ることによって、盗みは捨てられるべきである。 真実のことばによって、嘘は捨てられるべきである。 和合をもたらすことばによって、中傷のことばは捨てられ…

「受持七仏名号所生功徳経」 (書下し文)

「受持七仏名号所生功徳経」の書下し文を試みにつくってみた。 今まで書下しがなかったようである。 不思議な、ありがたいお経だと思う。 「受持七仏名号所生功徳経」 (書下し文) 大唐三蔵法師玄奘奉詔訳す かくの如く我れ聞けり。一時、仏・薄伽梵、室羅…

「スリランカに昔から伝わる偈文」

「スリランカに昔から伝わる偈文」 以下の偈文は、スリランカに昔から伝わるシンハラ語の偈文で、作者は不明らしい。デニヤーイェ長老が折に触れて読んだくださり、その響きの美しさに毎回とても胸を打たれてきた。 今日、お願いして文章をアルファベットで…

七仏通誡偈 ブッダーナサーサナー

Sabba pāpassa akaraṇaṃ - kusalassa upasampadā, サッバ パーパッサ アカラナン クサラッサ ウパサンパダー すべての悪いことをやめること。 善いことに入っていくこと。 Sacitta pariyodapanaṃ - etaṃ buddhāna sāsanaṃ. サチッタ パリヨーダパナン エータ…

「仏弟子への戒めの要略」(「仏説略教誡経」現代語私訳)

「仏説略教誡経」の現代語私訳をつくってみた。このお経も、短いが、仏弟子への戒めの要略として、厳しさと暖かさのこめられたすばらしいお経と思う。 「仏弟子への戒めの要略」(「仏説略教誡経」現代語私訳) 唐の三蔵法師・義浄が翻訳しました。 このよう…

「羅云忍辱経」

「羅云忍辱経」の書下し文をつくってみた。 「羅云忍辱経」は、大正新修大蔵経に収録されてはいるものの、今までどこにも書下し文がなかったようなので、ほとんど読まれたことがないお経と思う。 しかし、忍耐(忍辱)の大切さをとても心に響く説き方で説い…