後出阿弥陀仏偈

後出阿弥陀仏


法比丘を惟念(おも)うに      乃(すなわ)ち世饒王に従い
発願すること喩えば諸佛のごとく   二十四章を誓う
世世諸仏を見ること         姟数量ること有るなし
宿命の行を廃さずして        功徳遂に具成す
世界は清淨と名づく         仏を得て号は無量
国界平夷にして易く         豊かに楽しくして上人多し
宝樹若干の種            羅列して叢(むらがり)て相生じ
本と莖と枝と葉と花と        種種各(おのおの)異なれる香なり
風に順(したが)って日に三たび動き 翕(やわら)ぎ習(の)びて花の生ずるが如し
地堕ちては手布の如く        雑厠の上普ねく平らかなり
一切諸もろの山無く         海水及び諸もろの源に
但だ河水の流れのみ有りて      音の響きは経を説くが如し
天・人は水に入りて戯れ       意の欲し望む所に在り
水をして胳肩に斉(ひと)しからしめ 意に願うこと念に随って得
仏の寿は十方の沙          光明は普ねく無辺なり
菩薩及び弟子            算じ称し量るべからず
もし彼の仏を見んと欲せば      疑うなかれまた忘るることなかれ
疑いあれば胎中に在りて       合わざること五百年
疑わざれば台に坐して生じ      叉手して無量の前なり
願いて十方に遍ずることを欲せば   須臾にして則ち旋還す。
彼の菩薩を惟念(おも)うに     姟劫に功と勤めを作(な)し
本の行かくの如く致し        号を得世尊を憎す
仏の興るに値(あ)うこと得難く   須臾は会うも聞き難し
講じ説く士は遇い難く        学を受く人は得難し
もし後に末世遭い          法の衰微せんと欲する時
まさに共に擁護を建て        仏の無欲の法を行ずべし
仏はよくこの要を説く        各各勤めて思い行ぜよ
この無量の福を受け         世世に稽首し行ぜよ


後出阿弥陀仏