三十二相経、無諍分別経など 抜粋メモ

『三十二相経抜粋メモ』


・ 善き教えの受持、身口意の善行為、布施、持戒、ウポーサタを行うこと、母・父への孝行、僧への恭敬、一族の長老への敬意、非暴力などさまざまなすぐれた行為を確固として遂行する。 七宝。
この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→足安立相

・ 多くの人々の幸福ための尽くし、苦痛や恐怖を除去し、理にかなった保護と防御を整え、行き届いた施しを行い、精励する。
→足下二輪相

・不殺生、刑罰と武器を廃し、恥を知り、憐れみの心をもち、あらゆる生き物に利益と慈悲をもたらす。
→足跟広平相、長指相、直身相

・ 美味を与える。
→七処隆満相

・布施、愛語、利行、同事。
→手足柔軟相、手足網縵相

・ 多くの人々のために利益をもたらし、真理をもたらすことば。多くの人々のために説明し、生けるものに利益と幸福を運び、もの惜しみせず、真理の供養者である。
 利益と真理を伴う声を発し、多くの人々のために説き明かし、生きとし生けるものたちに利益と安楽をもたらし、物惜しみせず、真理の教えの供養を行う。
→足趺高相、毛上向相

・ 注意深く技芸、学術、行動、仕事を人々に教える。
「どうすれば私は速やかに学ばせ、速やかに理解させ、速やかに納得させて、長く苦労させないようにできるだろうか」
と考えながら。
この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→鹿踹相

・ 「善とは何か?悪とは何か? 過失とは何か?無過失とは何か? すべきこととは何か?すべきでないこととは何か? 長い間行ってためになり、安楽になることは何か?長い間行ってためにならず、苦しみとなることは何か?」
と賢者に近づいて質問する。
この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→細薄皮相

・ 怒らず、晴朗な気持ち。あれこれいわれても不機嫌とならず、立腹せず、敵意を持たず、かたくなにならず。怒りも憎しみも不満も表さない。柔らかい敷物・着物・毛布を施す。
→金色相

・ 長い間行方不明になっており、不在である親族・友人・知己・同輩を再会させる。ひとつにまとめる。
→陰蔵相

・ 人々の集団を観察して正しく知悉する。自分を知り、人を知り、人の長所を知って、「この人はこれに適している、この人はこれにふさわしい。」というようにして人々の特質を見通す。
→身広長等相、正立手摩膝相

・ 多くの人々のためになることを願う。
人々の利益・安楽・平安を願って、
「どうすれば私は彼らの信・戒・教育・施し・ダンマ・智慧を増やすことができるだろうか?財産・田地を増やすことができるだろうか?妻子・親族・友人・縁者を増やすことができるだろうか?」
と考え、この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
また人々の健康・容色・安楽を増やすことを考え、どうすれば他人を損なわないかと願い、人々の繁栄を熱望する。
→師子上身相、両腋下隆満相、肩円好相

・ 非暴力。いかなる手段によっても、生けるものたちを決して傷つけない。
この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→得上味相

・ 横目を使わず、目の端で見ず、差別的に見ることなく、真っ直ぐに、正直に見て、愛情深いまなざしで多くの人々を眺める。
→紺青眼相、牛目睫相

・ 先導者となる。さまざまな善いこと、身口意の善行為、施し、戒め、ウポーサタ、母・父への孝行、僧への尊敬、一族の長老への敬意を、多くの人々の先頭に立って行う。この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→肉髻相

・ 嘘をつかず、嘘を嫌悪し、真実を語り、真実を離れず、信用が置け、信頼でき、言行一致の人であるように生きる。ありのままの事実、真実に満足する。この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→一孔一毛相、白毫相

・ 悪口を言わず、悪口を嫌悪する。こちらで聞いたことで不和をもたらすことを向こうに言わず、仲違いしているものたちを結びつけ、一緒にいるものたちをさらに助け、和合を楽しみ、和合に満足し、和合を喜び、和合をもたらすことばを語る。争いをなくし、断絶した間柄を結びつけるようなことばを語る。人々の争いを除き、たがいに仲良くするのを喜び、楽しむ。この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→四十歯相、具足歯相

・ 粗暴なことばを使わず、きつい粗暴なことばを避ける。欠点がなく、愛情にあふれ、心にしみ入り、上品で、多くの人に愛され、多くの人の気に入ることばを語る。この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→長舌相、梵音相

・ 無意味なおしゃべりをせず、無意味なおしゃべりを避ける。適切な時に語り、事実を語り、有意義なことを語り、ダンマを語り、戒律を語り、含蓄のあることばを語る。正しい時に、合理的で節度あり、意味のあることを語る。よく配慮の行き届いたことばを語る。無益なことをいわず、有益で、多くの人々の幸福になることを語る。この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→師子頬相

・ 悪い生活方法を捨て、正しい生活方法によって生活する。偽りの物差の使用や、賄賂・いかさま・詐欺などの不正行為、暴力行為をしない。平静に、心清く、正義をもって生計をたてる。無益なことを捨てて、有益で、多くの人に幸せになることを語り行う。この行為を行い、集め、蓄積し、増大する。
→歯斉相、白歯牙相



『無諍分別経』 

人は欲望の楽しみに耽るべきではない。それらは、下劣で卑しく、凡俗で、聖なるものではないから。最終的に利益をもたらすものではないから。

称賛も非難もせず、ただ真理を説く。
心の中の安楽をもっぱら求める。
ゆっくりと話すべきで、急いで話してはならない。
最終的な利益となる八正道を求め、欲望の楽しみにふけらない。
苦痛を伴う間違った道かどうかを説示する。
人より、その行為の是非を見て、その是非を示す。

「人は安楽とは何かを知るべきであり、それを知ったうえで、心の中の安楽をもっぱら求めるべきである。」
五欲の楽を恐れ、増大させず、瞑想四禅の楽を追い求め、身に付け、増大させ、怖れない。

五欲に夢中になるなら、苦しみ、悩み、愁いをともなう。
五欲は最終的な利益をもたらなさいので、夢中にならないようにする。

「われわれは、心が乱れる生き方と心が乱れない生き方とを知ろう。そして、それらを知ったうえで、心が乱れない修行を歩もう。」



『セーヴィタッバ・アセーヴィタッバ経』

不善なることが衰え、善なることが勢いづく身口意の行為、眼耳鼻舌身意の対象、個性の獲得、個性の持ち主、都市、国、個人に近づく。

害意のない個性の獲得を生起させるものは、輪廻が終結している。そのような個性を獲得している人々に親しむべき。

『真人経』 家柄・学識・財産・地位よりも、貪瞋痴の有無、ダンマに従って実践しているかどうかが、人間にとって大切な事である。