2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

増支部経典 第八 善友等品

増支部経典 第八 善友等品 一、比丘衆よ、我はよく未生の善法を生じ、あるいは已生の不善法を捨つるものはこの外に一法をも見ず、それはすなわち友の善きことなり。 比丘衆よ、友善ければ未生の善法は生じ、また已生の不善法を捨つ。 二、比丘衆よ、我はよく…

増支部経典 第七 発精進等品

増支部経典 第七 発精進等品 一、比丘衆よ、我はよく未生の善法を生じ、あるいは已生の不善法を捨つるものはこの外に一法をも見ず、それはすなわち発勤精進なり。 比丘衆よ、発勤精進ならばすなわち未生の善法は生じ、また已生の不善法は捨てらる。 二、比丘…

増支部経典 第六 弾指品

増支部経典 第六 弾指品 一、 比丘衆よ、この心は極光浄なし、しかしてそれは客の随煩悩に雑染せられたり、無聞の異生は如実にこれを解せず、ゆえに無聞の異生は心を修せずと我は言う。 二、 比丘衆よ、この心は極光浄なり、しかしてそれは客の随煩悩より解…

増支部経典 第四 無調品

増支部経典 第四 無調品 一、 比丘衆よ、我は、かほどにも調(ととの)えられざる時は大無利を成す法を、他に一も見ず、比丘衆よ、それはすなわち心なり。 比丘衆よ、調えられざる心は大無利を成すなり。 二、 比丘衆よ、我は、かほどにも調えられたる時は大…

増支部経典 第三 無堪忍品

増支部経典 第三 無堪忍品 一、 比丘衆よ、我は、かほどにも無修無堪忍の法を、他に一も見ず、比丘衆よ、それはすなわち心なり。 比丘衆よ、心は無修無堪忍なり。 二、 比丘衆よ、我は、かほどにも修せられ堪忍なる法を、他に一も見ず、比丘衆よ、それはすな…

増支部経典 第二 断蓋品

増支部経典 第二 断蓋品 一、 比丘衆よ、能く未生の欲欲を生じ、あるいは已生の欲欲を増し拡ぐる一法を、我は他に見ず、比丘衆よ、それは即ち浄相なり。 比丘衆よ、不如理に浄相を思惟すれば、未生の欲欲は生じ、あるいは已生の欲欲は増し拡がるなり。 二、 …

増支部 一集 第一 色等品

増支部経典(アングッタラ・ニカーヤ)彼の世尊、応供、正自覚者に帰命す。 一集 第一 色等品 一、かくの如く我聞けり、 あるとき先生は舎衛城(サーヴァッティ)の祇陀(ジェータ)林、給孤独の園に住したまいき。 そこにおいて世尊は比丘衆を、比丘衆よと…

民主制を維持させるには? アリストテレスによれば

アリストテレスは、『政治学』の六巻の中で、民主制の維持の仕方について論じている。 同巻の中で、アリストテレスは、民主制の諸特徴を知ることは、人が欲するものを確立するためにも、現にある民主制を立て直すためにも、有益であるとして、民主制の諸特徴…

ブラック・アリストテレス

アリストテレスといえば、一般的なイメージでは共通善やポリス的動物ということを説いた思想家として、あるいは政体の六類型を説いた思想家としてのイメージが強い。 しかし、アリストテレスの『政治学』をよく読むと、五巻の最後の方に、マキャヴェリによく…

有身見について

有身見について、「預流果に至ることで消える「有身見」とは、単に肉体の感覚器官により生じる欲望を楽しませることを良しとする考えを捨てること」とあるネット上の掲示板で言っている人がいて、驚いた。これは、明確な誤りである。有身見(sakkāya-diṭṭhi…

6月15日にあったというデモの報道について

6月15日、一万一千人規模のデモが首相官邸前で行われたと、「赤旗」が報道している。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-16/2012061601_01_1.html これがもし本当ならば、すごいことである。 しかし、その他のメディアはほとんど載っていないよう…

小沢派への疑問

私が疑問なのは、原発再稼働反対・消費税増税賛成というスタンスの人が非常に少ないことだ。 原発再稼働反対の人は消費税増税反対の人が多い。 逆に、原発再稼働賛成の人は消費税増税も賛成の人が多い。 本来は全く別個の事柄なのに、賛否がこうも割れるのは…

古代ローマのストア派雑感

最近、あらためて、セネカやキケロやマルクス・アウレリウスを読んでいて思ったのは、ローマ人ってのは本当にすごいもんだということだ。 その毅然たる精神は、やっぱり、男の中の男、たいしたものだと思う。 おそらく、日本の武士も、よく似たものだったの…

エリザベス女王の特集番組を見て

最近、BSでエリザベス女王の特集があっていて、なかなか面白かった。 http://www.nhk-g.co.jp/program/documentary/bs_worlddocumentary/index.html 特に感心したのは、人の心をつかむスピーチ。 アイルランドをイギリスの元首として百年ぶりに訪問した時は…

キケロ 「老年について」を読んで

今日、キケロの「老年について」を読んだ。 この本は、わりと最近出た新訳で、旧訳は前からうちにあったのだけれどかなり読みづらかったのが、新訳だと格段に読みやすくなっていた。 作中の登場人物のカトーの口を借りて、キケロは、老年が決して世の人が思…

セネカ 「生の短さについて」を読んで

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)作者: セネカ,大西英文出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/03/17メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 39回この商品を含むブログ (88件) を見る 今日、セネカの『生の短さについて』を読んだ。 この本は、岩波文庫でわり…

「慈悲の心の八つの利益」(増支部経典第八集 第一章第一節)

「慈悲の心の八つの利益」(増支部経典第八集 第一章第一節) 私はこのように聞きました。 ある時、世尊は祇園精舎におられました。 世尊は仏弟子(比丘)たちに告げられました。 仏弟子たちよ、慈悲において心をよく発達させ、慈悲を心の習慣とし、慈悲を心…

マルクス・アウレリウス『自省録』を読み返して

自省録 (岩波文庫)作者: マルクスアウレーリウス,神谷美恵子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/02/16メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 118回この商品を含むブログ (155件) を見る 今日、ひさしぶりに、マルクス・アウレリウスの『自省録』を読み直し…

原田正純先生の事

原田正純さん死去 水俣病研究の第一人者 http://kumanichi.com/news/local/main/20120612002.shtml もう十数年前になるけれど、原田先生が熊本大学医学部を退官される時の最終講義に行ったことがある。その時や、その他の時に、何回か原田先生を間近で見たこ…

メモ パーリ語のことば

Dhammakāmo bhavaṃ hoti dhammadessī parābhavo. ダンマカーモ バヴァン ホーティ、ダンマデッスィー パラーバヴォー ダンマ(仏法)を愛する人は成長し、ダンマを嫌う人は没落する。

スッタニパータ 「没落についての教え」

スッタニパータの「没落についての教え」の章を、英訳からだけれど、翻訳してみた。 本当はパーリ語原文から翻訳するのがいいのだろうけれど、とりあえず重訳かもしれないけれど、英訳からやってみるのも勉強にはなると思う。これは、在家者にとっても、とて…

エリオット 「四つの四重奏」を読んで

四つの四重奏 (岩波文庫)作者: T.S.エリオット,岩崎宗治出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/04/16メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (5件) を見る エリオットの『四つの四重奏曲』を読んだ。とても面白かった。すっごいなぁ〜…

メモ 在家に説かれた主な経典

在家に説かれた主な経典 吉祥経と六方礼経以外で。 Parabhava sutta (敗亡経) (南伝大蔵経 第二十四巻 小部経典二 一 蛇品 六 敗亡経) Snp 1.6 Vasalasutta (賤民経) http://www.buddhanet.net/e-learning/buddhism/bp_sut22.htm Snp 1.7Saleyyaka sutta…

ナイジェル・ニコルソン 『ナポレオン一八一二年』再読

ナポレオン1812年 (中公文庫)作者: ナイジェルニコルソン,白須英子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1990/06メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 今日、ナイジェル・ニコルソン『ナポレオン一八一二年』という本を読み終わっ…

ショスターコヴィチ弦楽四重奏曲全集

ショスタコーヴィチ : 弦楽四重奏曲全集アーティスト: エマーソン弦楽四重奏団,ショスタコーヴィチ出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2000/06/01メディア: CD クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る ショスタコーヴィ…

ダウランド 「ラクリメ、または七つの涙」

ダウランド : ラクリメ、または7つの涙アーティスト: ジョルディ・サヴァール,エスペリオンXX出版社/メーカー: インポート・ミュージック・サービス発売日: 1995/05/25メディア: CD クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る ダウランドの曲は、本当…

「神々しさは熱心な信仰から生れる」 ヘリックの詩より

ヘリックの短い詩をひとつ翻訳してみた。 原文のGodをちょっと日本風に神仏と意訳してみた。 DEVOTION MAKES THE DEITY. Who forms a godhead out of gold or stone Makes not a god, but he that prays to one. 「神々しさは熱心な信仰から生れる」 黄金や…

相応部経典メモ1

相応部経典メモ1 (ヤッカいわく、) 「この世で、人にとって最上の富は何か? 何をよく修めたならば、幸せをもたらすのか? もろもろの味のうちですぐれて良いものは何か? どのように生きることを、最上の生活というのか?」 (尊師(※釈尊)いわく、) …

エリオット 「荒地」を読んで

荒地 (岩波文庫)作者: T.S.エリオット,岩崎宗治出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/08/20メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 81回この商品を含むブログ (31件) を見る エリオットの『荒地』を読み終わった。この詩は、昔、岩波文庫ではない別の版で、読…

ルネサンス美術館

ルネサンス美術館(全1巻)作者: 石鍋真澄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/10/24メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る ルネサンス絵画が要領よく一冊に豊富な写真でまとめてあって、とても良い一冊だった。イタリア…