善導大師 「日中無常偈」

善導大師 「日中無常偈」

人生不精進   人、生けるとき、精進ならざれば
喩若樹無根   たとへば樹(うえき)の根なきがごとし
採華置日中   華を採って日中に置かんに
能得幾時鮮   よくいくばくの時か鮮やかなることを得ん
人命亦如是   人の命もまたまたかくのごとし
無常須臾間   無常 須臾(しゅゆ)の間(あひだ)なり
勧諸行道衆   もろもろの行道衆を勧む
勤修乃至真   勤修(ごんじゅ)してすなはち真に至りたまへ


(大意)

人は生きている時に、精進しなければ、
たとえてみるならば、植木に根がないようなものだ。
花を採って日中に置いておいても、
根がなくて養分を吸うことができなければ、どれだけの間あざやかに咲いていることができるだろうか。
人の命もそのようなものだ。
無常の、ほんのつかの間のものだ。
もろもろの仏教徒に勧める。
精進して、どうか速やかに真実に至りたまえ。
そして、真実の仏法に根を張って、本当に美しく咲き続けるいのちを生きなさい。