2020-01-01から1年間の記事一覧

手島佑郎『ユダヤ教の霊性 ハシディズムのこころ』を読んで

手島佑郎『ユダヤ教の霊性 ハシディズムのこころ』を読み終わった。とても興味深く、良い本だった。 ハシディズムとは18世紀に起こったユダヤ神秘主義だということぐらいは知っていたが、その詳しい内容はどうも今までよくわからなかったので、本書を通して…

加藤直樹『九月、東京の路上で -1923年関東大震災・ジェノサイドの残響』を読んで

加藤直樹『九月、東京の路上で -1923年関東大震災・ジェノサイドの残響』(ころから、2014年)を読み終わった。 関東大震災の時に行われた、いわゆる朝鮮人虐殺について書かれた本である。 読みながら、ただただ、ひどい、としか言いようがなかった。 この…

2020年の8月15日に思ったこと

今日は8月15日。 戦後75年の節目で、戦後50年から四半世紀も経ったことを思うと、ある種の感慨があった。 戦後50年の時、私は高校生で、それなりに一応真面目だったのか、岩波文庫の『きけわだつみのこえ』や、色川大吉などの昭和史の本を随分と真剣に読んだ…

都知事選の結果を見ての感想

今回の都知事選を見て、宇都宮氏の応援ということで、立憲民主党と共産党がしっかり協力していたことは、過去の都知事選における民主系・共産系の動向を考えると、かなり画期的なことだったと思う。 今後の国政選挙においても、両党の連携協力を築いていく上…

オバマさんの最近のスピーチ

オバマ前大統領の今年卒業する若者へのメッセージ。 とても良かった。 コロナで露呈したのは、私たちの社会と民主主義は、互いを思いやってこそ機能するものだということ。 三つ助言したいことは、 1、恐れないこと。 2、自分は正しいと信じること。 3、…

泥さんの命日

今日は、泥憲和さんの命日。 もう三年になる。 またいつかあの世で会った時に、少しはきちんと報告できる材料をそろえるために、生きている間は泥さんのようにしっかり生きていこうと思う。 泥さんは日本国憲法をとても愛していた。 苦労人だったので、憲法…

賀川豊彦関連の映画・動画

現在、賀川豊彦記念館が旧館ということで、いくつかの映画・動画を無料公開している。 http://www.kirishin.com/2020/04/25/42574/?fbclid=IwAR1PVLUkulmhgMBgTlbWmwyUN2qLuw0fcAU3pd6PMBxP58VqAe2n8y96_xE ということで、せっかくなので四つとも見てみた。 …

BBC 「スリランカ フランシス神父を捜して」を見て

昨日、以前録画していたBBCの「スリランカ フランシス神父を捜して」という番組を見た。 2009年に失踪したカトリックの神父のフランシス・ジョゼフさんについての番組だった。 去年作成された番組である。 試しに検索したところ、日本語のサイトは、ほと…

小説 「ある友人の思い出」

先日、なんとも不思議なことがあった。 たぶん誰も信じないだろうが、私のある思い出が、全く存在しなかったという事実である。 その場合、私の記憶は、いったいどうなるのだろうか。 私が大学生の頃、B君という友人がいた。 思い出は、このB君に関わるこ…

東京五輪は中止せざるを得ないだろう

先日、海外のニュース番組を見ていたら、コロナウイルスのワクチン製造には、おそらく1年半~2年はかかると報じていた。現在、世界各国の医療機関が各国政府のバックアップのもと全力でワクチン製造にとりかかっているらしい。通常、なんらかのウイルスの…

小説 「命根」

小説 「命根」 義明は、小さい頃、歴史小説が好きだった。 たくさん読んだ本の、ほとんどは忘れてしまった。 しかし、不思議と覚えている話があった。 それは、幕末において人斬りと言われた河上彦斎が、佐久間象山を暗殺した時に、「自分の命根が尽きたよう…

小説 「常民」

小説 「常民」 「常民」という言葉がある。 民俗学の用語で、柳田国男などが使っている。 特に何か特別なことはせず、一生平凡に暮らす。 そういう人々のことで、そうした人々が民俗学の対象だというのである。 隆司は、べつに民俗学にはさほど関心はないが…

小説 「ストリートビュー」

小説 「ストリートビュー」 なつかしくて死にそうになる。 そんな気持ちは、誰にでもあるだろうか。 おそらく、生まれ故郷を離れた人には誰にでもわかるだろう。 幸福にもずっと生まれ育った場所に住んでいる人にはわからないかもしれない。 隆司が聖書を愛…

小説 「コロナの春に」

「コロナの春に」 つまらない。 なぜかそう思ってしまう。 朝起きても、なんとなくやる気が起こらず、ぐだぐだと過ごしてしまう。 コロナウイルスが全世界に蔓延し、一時は株価が大暴落し、このまま資本主義の終焉かとも思いきや、意外と数日で持ち直して、…