増支部経典第九集の力経(バラ・スッタ)を読んでいて、なるほどと思った。
それによれば、
智慧の力(パンニャー・バラ)
精進の力(ヴィリヤ・バラ)
過ちが何もないことによる力(アナワッジャ・バラ)
人々をまとめ治める力(サンガハ・バラ)
の四つの力があれば、怖れることなく世の中を堂々と渡っていけるとのことである。
智慧の力(パンニャー・バラ)とは、何が悪いことで何が善いことか的確に判断することができること。
精進の力(ヴィリヤ・バラ)とは、悪いことを取り除き立つために努力し、善いことを獲得するために努力する力のこと。
過ちが何もないことによる力(アナワッジャ・バラ)とは、過ちのない身体・言葉・心の行為のこと。
人々をまとめ治める力(サンガハ・バラ)とは、布施・愛語・利行・同事のことで、それぞれ特に、仏法を教え伝えること(ダンマダーナ)が最上の布施、仏法を求め耳を傾ける人に繰り返し説き明かすことが最上の愛語、仏教を信じていない人や道徳を守っていない人などに勧めて仏教を理解させることが最上の利行、四向四果の悟りと同じになるのが最上の同事。
とのこと。
なるほど、と思った。
この四つの力を、日々に高めたいものである。
メモ
信心のない人を信心に目覚めさせ、教え、信心を強めること。
不道徳な人を道徳に目覚めさせ、教え、道徳を強めること。
むやみに物惜しみする人を物惜しみしない心に目覚めさせ、教え、物惜しみしない心を強めること。
愚かな人を智慧に目覚めさせ、教え、智慧を強めること。
これが「人助け」(利行、アッタチャリヤ)の中で最上のことである。
これが「与えること」(布施、ダーナ)の中で最上のことである。
仏法を与えることである。(ダンマ・ダーナ)
これが「優しいことば」(ペイヤワッジャ、愛語)の中で最上のことである。
仏法を欲し、注意深く聴いている人に、再三再四仏法を教えてあげることである。
これが「人助け」(利行、アッタチャリヤ)の中で最上のことである。
信心のない人を信心に目覚めさせ、教え、信心を強めること。
不道徳な人を道徳に目覚めさせ、教え、道徳を強めること。
むやみに物惜しみする人を物惜しみしない心に目覚めさせ、教え、物惜しみしない心を強めること。
愚かな人を智慧に目覚めさせ、教え、智慧を強めること。
これが「同じことをすること」(同事、サマーナッタター)の中で最上のことである。
預流果ならば預流果と同じくなり、一来果ならば一来果と同じくなり、不還果ならば不還果と同じくなり、阿羅漢ならば阿羅漢と同じくなることである。