無謀と独断を避けるべきこと

箴言を読んでいると、なるほどっと思うことが多々あるが、以下の言葉もそうだ。


Surely you need guidance to wage war,
and victory is won through many advisers.
(Proverbs 24.6)


良い指揮によって戦いをすることができ、
勝利は多くの議する者がいるからである。
箴言 第二十四章 第六節 口語訳)


戦争には指揮する力が必要であり
勝利を得るためには作戦を練るべきだ。
箴言 第二十四章 第六節 新共同訳)


まことに、あなたは知恵によってあなたのために戦いを為せ。
そして、救いは助言する者の多いことによる。
箴言 第二十四章 第六節 自分訳)


キー・ヴェタフブロット・タアセ・レハー・ミルハマー・ウテシュアー・ベロ−ヴ・ヨエッツ


訳が難しい一節だが、要するに、良い指揮が戦うならば大切であり、多くの人とよく相談をし作戦を練ることが勝つために、あるいは助かるためには大切だということだろう。


ろくな指揮も知恵もなければ戦いは敗れる。
また、独断ばかりで、十分な相談や合意の積み重ねがなければ、やはり敗れる。


これは、個人の人生にも通じるし、また政治や戦争にも言えることなのだろう。


つい最近でも、民主党はせっかく2009年に55年体制成立後ははじめての選挙を通じた政権交代を成し遂げながら、内部の闘争や分裂に明け暮れて、2012年の選挙では惨敗した。


今年は参議院選挙が行われるが、はたして民主党やリベラル諸派は結束し、良い指揮統率のもとに闘えるのかどうか。
何よりも、今の民主党の代表に、それだけの覚悟や意志が備わっているかも、いまいちまだよくわからない。


一方、今の自民党政府も、知恵をもって戦わなければ、次の選挙戦ぐらいまでは比較的うまくいっても、いつまでもずっとうまくいくとは限らないだろう。
良い助言者がどれほどいるか、またその知恵をどれほど大切に使えているのかも、まだよくわからない。


国のことよりも、最も大切なことは、各自の人生においてこの箴言を受けとめることだろう。
知恵をもって個人的な人生も時事にも自分なりの応答をしつつ、心ある人々とよく相談し、横の連帯をどれだけつくっていくことができるか。
そこに自分自身の人生ももちろんのこと、今後のこの世の中がどれほど良いものになりうるかのささやかな一部分もかかってくるのだと思う。


無謀な戦いと狭い視野による独断専行ほど、自分自身にとっても、国家社会にとっても、有害なことはない。
そのことをこの箴言は諭してくれているのだと思う。