物事に良いことを見出す

箴言は、やっぱり原文を見てはじめて明晰にわかることがある。
以下の第十六章二十節も、いまいち新共同訳ではわからなかったが、原文を見て、はじめて明晰にわかった。


Whoever gives heed to instruction prospers,
and blessed is the one who trusts in the Lord.
(Proverbs 16.20)


何事にも目覚めている人は恵みを得る。主に依り頼むことが彼の幸い。
箴言 第十六章 第二十節 新共同訳)


賢い人は、物事に良いことを見出す。
そして、主に信頼する人は、幸いである。
箴言 第十六章 第二十節 自分訳)


マスキール・アル・ダヴァル・イムツァー・トーヴ・ウヴォテアハ・バドナイ・アシュラヴ


非常に深い言葉だと思う。


世の中には、なんでもネガティブに、悪いことばかり見つけては、自分は何もせずに文句や非難ばかりする人がいる。
そういう人間は、実は非常に愚かな人間なのだろう。


一方、賢い人というのは、いかなる状況においても、その物事の中に良いものごとや良い可能性を見出して、それを伸ばそう、あるいは守ろうとする人のことなのだろう。


また、この箴言における「主に信頼する」というのは、言いかえれば、この世を貫く法則を確信していて、一時的にはそうでないように見える時でも、誠心誠意正しく努力していればきっと最終的にはうまくいくと安心立命していることなのだと思う。
お天道様は見ている、ということを確信し、大きなはからいに安んじているということだろう。


この言葉、座右の銘にしたいと思う。
というのは、どうも自分の良くない傾向として、とかく悲観的に考え、あんまり主や大きなはからいのようなものを信頼しない傾向があるからだ。
それは私の愚かさが原因であり、まだまだ修養が足りないからだろう。


「トーヴ」、つまり「良いこと」を何事にも見出すことを忘れないようにしたいものである。