黒人霊歌”Deep River”を仏教風に意訳してみた。
「深い河」(Deep River)
Deep river, my home is over Jordan,
Deep river, Lord,
I want to cross over into campground.
深き河よ、故郷はガンジスの向こうに。
深き河よ、南無阿弥陀仏、
ここを渡って倶会一処(ひとつところ)で会おう。
Oh don't you want to go to that gospel feast,
That promis'd land where all is peace?
Oh deep river, Lord,
I want to cross over into campground.
ああ、弘誓の強縁は億劫にもあいがたく、
とこしえの涅槃(しずけさ)に至りなん。
ああ、深き河よ、南無阿弥陀仏。
ここを渡って倶会一処(ひとつところ)で会おう。
原文から訳せば、
「深い川、私の家はヨルダン川の向こうに。
深い川、主よ、
私は渡って集いの地に行きたい。
神の祝宴の、全き平和の、約束の地に、
行きたくはないか?
ああ、深い川、主よ、
私は渡って集いの地に行きたい。」
といった感じだろう。
この歌は、作者はよくわからないようで、黒人奴隷たちの間で歌い継がれてきた歌だそうである。
いったいどのような人がこれほど美しい歌を歌い始めたのか。
とても胸を打つ、良い歌だと思う。
ちなみに、遠藤周作の「深い河」は、この歌にインスピレーションを受けて書かれたらしい。
あの小説の舞台も、ガンジス川だった。