今日は、池上彰さんの講演を聞いた。
なかなか面白かった。
テレビだと現代の瓦屋さんという感じだが、実物はそれ以上の人なんだなぁと感心した。
あたたかそうな雰囲気の方だった。
最近は東工大の教授をしているそうで、大学教育における教養教育の大切さを力説していた。
「すぐに役に立つものはすぐに役に立たなくなる」という言葉を述べていて、なかなか笑えたけれど、本当にそうかもなぁ。
役に立つ知識より、そのもっと根底となる、自ら学んだり選択したりする力や基準を身につけることこそ、若いうちに、そしてまた大人になってからも、大切なことなのだろう。
学生が「池上さんのゴールは何ですか?」という質問をしていて、
「ゴールなんてないよ」
と笑って答えた上で、
「人間の致死率は100%だから、いつか必ず来る死に向かって、いかに成熟していくか、死に向かって成熟して良い人生だったと言えるように生きていくか、ゴールというのではなく、それを意識しています。
ただ、このことを意識するようになったのは僕は六十才を過ぎてからだったので、まだ若い人はそこまで切実に意識することもその必要もないかもしれないけれど、六十過ぎるとこの問いが切実になってくるよ。そして若い人も、できればこのことも時には意識してみて欲しい。
死に向かって成熟していくために、少しでも自分の精神が成長するような本をいつも探して読みたいと思っています。」
という話をされていて、なるほどなぁ〜っ、大したものだなぁと思った。
また、日本人は素直に決められたルールや設問にのっかって答えようとしがちだけれど、前提となる問いやルールそのものを疑ったり、自分でつくろうとすることが今後は大切である、
といった話や、
雑学と教養は異なる、雑学だけだと単なる知識の集積だけど、知識が積み重なってそれが横につながって、他の問題に応用できて、その他のことに関して先を見通す力や理解する力になった時に、それが教養です、
といった話は、なるほどなぁ〜っと思った。
最近は、原稿を書いて本を書くことにがんばっておられるそうなので、池上さんの著作もあらためて読んでみたいなぁと思った。