柳田邦男 「人生がちょっと変わる 読むことは生きること」

人生がちょっと変わる―読むことは生きること (新潮文庫)

人生がちょっと変わる―読むことは生きること (新潮文庫)



少し前のエッセイ集だけれど、いろいろためになる言葉がいっぱい散りばめられていた。
さすが柳田さんの本である。

特に、

「ユーモアとは、にもかかわらず笑うこと」

という言葉は、心に響いた。

また、生きていく力を高めるには、自分の活動への高遠な目的意識、生への意欲、ユーモア、の三つが大切というのも、なるほどーっと思った。

「志を立てる」という言葉や、三十代以降である程度成熟した眼から自分の人生を選択し直すという生き方についての紹介も、興味深かった。

「いつまでも あると思うな 親と金 ないと思うな 運と災難」

という昔の歌の紹介も、私は上の句だけ知ってたので、面白かった。

死を前にした難病の末期患者が、より良き生を彫刻のように刻みつけて生きようとする、という姿勢の紹介も、とても感じ入るものがあった。

キューブラ・ロスの「人生に偶然などはない。起こったことは起こるべくして起こったのだ」「いのちの唯一の目的は成長することにある」という二つの信念の言葉も心に響いた。

ノンフィクションは物語であり、「コンステレーション」つまり星座を見つけるように、事実と事実に物語を見つけていくこと、星座を見つける営みだ、というのも、なるほど〜っと思った。

良い一冊だった。