- 作者: 前島誠
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2003/10
- メディア: 単行本
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良い本だった。
ペルソナ(persona)とは、per(〜を通して)とsona(音)、つまり鳴り響くものということ、生きるとは共鳴できるものに出会うこと、その共鳴を響かせていくこと、ということは、なるほどーっと思った。
また、アブラハムのLekh-Lekha(レフレハ)、つまり「出でよ、お前に向かって」という言葉は、なるほどーっと思った。
つまり、自分に向かって出ていく、自分をつかまえている固いから自由になり、一人になった自分へ向かっていく、という脱却と回帰がユダヤの発想だということは、とても興味深かった。
固定化された偶像化をぶち壊す相対化こそ、ユダヤ精神の真骨頂なのだろう。
アブラハムやダビデに現れている、どんな相手もありのままに受けとめ、自分をありのままに出す、という、対等に人を扱い、自分を扱うという精神も、興味深かった。
十戒は、二人称単数で書かれている、つまり、人はどうあれ、自分はしない、ということだということも、あらためてなるほどーっと思った。
自分の狭い枠をつくらず、全体や相手に関心を持つということも、なるほどと思った。
人がどう自分を思うかはその人の自由なのだと、ドスンと自分をさらけ出す、というのも、確かに大切な知恵だと思った。
ダビデはきっとそれができたから大成したのだろう。
ユーモアは、人生の液、体液だというのも、なるほどと思った。
いろいろ、ためになる知恵の散りばめられた本だった。