柳田邦男 「石に言葉を教える」を読んで

石に言葉を教える―壊れる日本人への処方箋

石に言葉を教える―壊れる日本人への処方箋



柳田さんの本はどれも素晴らしいけれど、この本も本当にいっぱい素晴らしいメッセージが詰まった良い本だった。


日本ではいま、ケータイやネット漬けになることにより、言語力の低下が起こっていること。


学力と点数は別であり、生きる力や豊かな心こそが大事であること。


言語表現能力こそが大事であること。


独創性とは、自分で考えることであり、たとえば蘭学事始の「フヘッヘンド」の訳のための杉田玄白らの努力こそが独創性であること。


人間のいのちには二つの側面があり、生物学的ないのちと、精神的ないのちとがあること。


日本人はやっとつい最近、心の傷への理解が始まったこと。


がんばらないこととあきらめないことのふたつのバランス。


「いくつになっても創めることを忘れない生き方」


などなど、なるほど〜っと思うメッセージがいっぱい詰まっていた。


また、多くの良い絵本が紹介してあり、それを読んでみたら、どれも素晴らしかった。


柳田さんの本はどれも宝のような本だけれど、この本も多くの宝がいっぱい詰まった一冊だった。


現代人が失いがちな、本当の心というものを取り戻すきっかけを教えてくれる貴重な一冊だと思う。


昨今は、ツイッター等々を見ていると、やはり非常に言語表現能力や読解力の低下を如実に感じる人々が多いが、くだらない妄想ブログや毒吐きをしている暇がそれらの人にあるならば、ぜひ柳田さんの本を読んで欲しいと思われてならない。