- 作者: 三浦俊章
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/01/21
- メディア: 新書
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今日、岩波新書「オバマ演説集」を読んだ。
2010年頃までのオバマさんの主要な演説が十本収録されている。
とても良い翻訳で、非常に読みやすかった。
あらためて、オバマさんのレトリックの素晴らしさに感動した。
口だけとか批判も多いだろうけれど、ただの口先だけでこれほどの言葉は紡ぐことはできまい。
実存がかかった、ありったけの思いのたけがこめられた言葉の数々だからこそ、これほどの迫力と強さがあるのだと思う。
また、読みながら感心したのは、オバマさんを中傷するデマに関して、座視できないものは徹底して論理的に強く反論し、粉砕し、そのうえで自説を堂々と述べているところだ。
日本の場合、菅さんも野田さんもやっていることは良いこともあったのに、小沢派や右派のデマや誹謗中傷に対して、いまいち十分な反駁もせず、十分な発信力もなかった気がする。
もしオバマさんぐらいのレトリックと言葉の力があれば、だいぶ違っていたのではないだろうか。
政治は言葉。
言葉の力こそが政治を動かす。
このシンプルな、しかしとかく日本ではおろそかにされがちな政治の原点を、オバマさんの演説の数々は思い出させてくれる。
たぶん、オバマさんの演説の数々は、そのレトリックの素晴らしさにおいて、古代ギリシャ・ローマの、ペリクレスやデモステネスやキケロらに匹敵する、後世の見本になるのではないかと思う。
日本の政治を良くするためにも、あらためて良い刺激を与えてくれる一冊だと思う。