大島祥明 「死んだらおしまい、ではなかった」

死んだらおしまい、ではなかった

死んだらおしまい、ではなかった



興味深い本だった。


著者は浄土宗の僧侶の方。
二千件以上の葬儀をあげるなかで、「本人」ということばを著者はつかっておられるのだけれど、故人がどのような人だったのか、なんとなくわかる、感じ取れるようになり、ご遺族に聞くと確かにそのとおりだったといういくつもの事例が書いてある。


著者によれば、人間は死んでもおしまいではなく、生前の性格がずっと続いていくのだという。
「本人」が、ずっと続いていくのだという。


そして、なかなか普通は自分の死を受け入れてない場合等があるので、供養が大事なのだという。


供養は、遺族こそが主役のもので、


それぞれの故人が、いまどのような思いでいるのか、
どのようなことをしてもらいたいのか、
なにを訴えているのか、
どうしたら安心してもらえるのか、
どうすれば喜んでもらえるのか、


そのことを配慮し、故人を偲んでいくことが、供養として最も大事なことだと述べられている。


また、死ぬ前の性格がずっと「本人」として続いていくので、基本的に、死ぬ前から性格を良くして、良い心で生きておく方が良いそうである。


で、どう生きることが、良いのかということについては、


もっとも大切なことは心を浄めること。
すべてを縁ととらえ、すべてを大切なご縁だと思って生きること。
人生において大事なものは、いのちと時間であること。


といったことが説かれていたのだけれど、たしかにそのとおりと思う。


なかなか面白い、興味深い本だった。