絵本 「なみだでくずれた万里の長城」

なみだでくずれた万里の長城――中国の民話

なみだでくずれた万里の長城――中国の民話


良い絵本だった。

おじいさんとおばあさんに大事に育てられた孟姜女が、やがて良い夫とめぐりあうのだけれど、夫は万里の長城の建設の労役に駆り出されて、何年待っても帰ってこない。

千里の道を歩いて夫を訪ねていくと、すでに夫は亡くなっていた。

孟姜女の嘆きと涙は万里の長城の一部分を崩す。

驚いた皇帝は、孟姜女に出会い、その美しさに心を動かされて自分の妻となるように命じる。

孟姜女は、万里の長城の建設で亡くなった人々の慰霊の供養を行うならば妻になりましょう、と答える。

その供養の儀式の最中、孟姜女は海に身を投げる。


という、孟姜女伝説を絵本にしてある。

あらためて、とても胸を打たれた。
万里の長城の建設の背景に、どれほどの庶民の嘆きや悲しみがあったかをうかがわせる伝説である。

とても胸を打つ絵本だった。