まんがと図解でわかるニーチェ (別冊宝島) (別冊宝島 1729 スタディー)
- 作者: 白取春彦
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/02/15
- メディア: 大型本
- 購入: 3人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
萌え系漫画でとてもわかりやすくニーチェの哲学が紹介してあり、なかなか面白かった。
私自身の感じているところをいえば、ニーチェは六割ぐらいはとても鋭くて良いことを言っていて、四割ぐらいはどうも疑問なところがある。
しかし、やっぱりとても鋭い問題関心や面白い部分があるなあと、あらためてこの本を読みながら思った。
また、いろいろ読み直してみたくなった。
にしても、たぶん、超人の思想をつきつめていくと、一方では菩薩や釈尊みたいな方向性もありうるし、一方では織田信長やチェーザレ・ボルジアみたいなありかたもありうるのだろうと思う。
ニーチェからすれば、どちらも本人が望むならばどちらでも良いということなのだろうけれど、私はやっぱりそこは大事なところではないかと思う。
また、遠近法というのもそのとおりだが、だからこそ、コミュニケーションを通じてコンセンサスをいかにつくっていくかが大事で、そこにホッブズもロックもヒュームも苦慮していたはずである。
カリクレスやトラシュマコスの焼き直しにならないためには、やっぱりニーチェにはもう少し、別の要素を加味しないとと思える。
とはいえ、それを自分自身で考えて納得いくように工夫しながら、生を謳歌するというのが、おそらくはニーチェの示唆するところでもあるのかもなあとは思う。