門脇圭吉 「パウロの中心思想」

パウロの中心思想―霊の息吹の形而上学

パウロの中心思想―霊の息吹の形而上学

とても考えさせられる、良い本だった。

著者によれば、ギリシャ語には「フロネイン」という言葉があるそうである。
横隔膜に由来する言葉だそうで、「肚(はら)で思い知る」と訳されていた。
パウロがしばしば使っているそうである。
たしかに、キリストの思いを、肚で知ることが大事なんだろうなぁと、読んでいてあらためて思った。

また、著者によれば、パウロは異教徒の善意の人々をも肯定し、救いとる理論をロマ書の前半の方で述べていたとのことである。

常にすべてを生かし救おうとするキリストの働き。
その活きた働きに応えて生きていくこと。

そうした、人を本当の意味で生かす言葉を、パウロはのこしてくれているということに、あらためて気づかされた。