菅首相 期限付き大連立に反対
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110609ddm002010095000c.html
菅降ろしと大連立の話が急に盛り上がっているけれども、大連立のメリットとデメリットとは何なのだろう。
メリットとしては、ねじれ国会で法案が通りにくい状況が打開でき、法案を通しやすくなるということはあると思われる。
デメリットとしては、国会が馴れ合いの場となり、チェック機能が効かなくなり、責任の所在が不明となり、次の選挙でもいったい何をもって国民が政党に投票すれば良いのか、二大政党制そのものが崩れる危険がある。
一長一短あるので、このどちらをとるかは難しいところだが、今のところ大連立でなければならない理由って何かあるのだろうか。
苦しみながらも、菅政権は今までのところ復興政策や原発事故調査委員会の立ち上げなどを着実に進めており、大連立に急にしなければ何も進まないという状況でもないと思う。
むしろ、以下のような記事を読むと、原発利権がとりあえず菅政権を葬り去って、事故調査委員会や新エネルギー政策を雲散霧消させるつもりで、そのための大連立なのかという気もしてくる。
【菅降ろしに原発の影 首相なぜ追いつめられた】(東京新聞6月3日付記事)
http://d.hatena.ne.jp/elkoravolo/20110606/1307317780
本当に菅降ろしと大連立でいいのだろうか?
もちろん、次の政権がきちんと事故調査委員会の活動を中止させるようなことをせず、復興政策をきちんと遂行していくならば、それはそれで良い。
しかし、菅総理が言っているように、解散の時期を約束するならば、求心力の弱い、しかも短命であることがわかりきっている中継ぎ内閣ができるだけなので、新しく安定した政治的統合を生み出すことは難しいだろう。
後継首相には野田さんの名前があがっている。
野田さんもまじめな能力のある政治家だろうとは思うし、べつに悪いとは思わないが、菅さんを降ろして野田さんに変えて、何か劇的に良くなることがあるようにもあまり思えない。
本当に菅降ろしと大連立でいいのか?
マスコミはその方向に急速に加速して、あたかも既定事実のようにしているが、あまり検討せずにその方向についていっていいのか、国民は一応慎重に検討して見守った方がいいのではなかろうか。