(2010年 8月記す)
NHK「証言 石炭戦士・地底の戦場〜福岡・筑豊〜」 を見た。
最近、筑豊の炭住が取り壊された様子と、戦前戦中の筑豊炭鉱の様子がインタビューを交えて特集されていた。
昭和初期、まだ戦争が始まる前は、炭鉱はわりと良い職業で、住宅や光熱費などが会社から支給されるし、給料も良く、石炭によって筑豊地域は景気も良くて、良い時代だったそうだ。
しかし、日中戦争、そして対米英戦争が始まると、増産に次ぐ増産と、一方で熟練炭鉱労働者が根こそぎ徴兵されていったことで、非常に危険な労働の場となっていったらしい。
安全性を無視した増産で、事故も相次ぐようになり、労働力の不足を補うために女性も働くようになった。
さらに、労働力不足を補うため、朝鮮や中国から労働者が連れてこられ、過酷な労働に逃亡を試みる人が相次ぎ、厳しい取り締まりと木刀や竹刀による制裁が行われたらしい。
また、米英の兵隊の捕虜も炭鉱で強制労働させられ、言うことを聞かないと木刀で叩いたらしい。
なんとも、胸のつまる話だった。
炭鉱がもともと悲惨だったのではなく、戦争が炭鉱を悲惨にさせた。
それが本当のことだったような気がする。
福岡に住みながら、筑豊の歴史はあまり知らず、なじみもうすいのだけれど、そのうちいろいろ本を読んでみたいと思った。