映画 「マイウェイ」

マイウェイ 12,000キロの真実 [DVD]

マイウェイ 12,000キロの真実 [DVD]

面白かった。
ネットで評判を見ると、いろいろと批判があるようだけれど、純粋にフィクションの映画作品として見たら結構面白いのではないかと思う。
ストーリーは、以下のようなもの。
チャン・ドンゴンが演じる朝鮮半島出身の主人公が、反日暴動の罪で徴兵されて、日本の軍隊で悲惨な生活を経験する。
そのうえ、ノモンハン地獄の戦場に駆り出され、ソビエト軍の捕虜となる。
それから、シベリアで地獄の強制労働を経験し、挙句の果てにナチスドイツのソビエト侵攻に際して兵隊に駆り出される。
独ソ戦地獄の戦場を経て、今度はドイツ軍の捕虜となり、ノルマンディーに駆り出されて、そこでまた地獄のノルマンディー上陸作戦の戦場を経験する。
とても本当にあったとは考えられない数奇な運命だし、この作品自体はフィクションだけれど、実はこれのもととなった楊景鐘(ヤン・キョンジョン)という、朝鮮半島出身で日本軍の軍人となり、ソビエト軍の捕虜なって、さらにドイツ軍の捕虜となって、ノルマンディーで連合国の捕虜となった人のエピソードがあるそうである。
事実は小説より奇なり、ということだろうか。
この作品では、副主人公役としてオダギリ・ジョーが出演していて、はじめは嫌な日本の軍人だけれど、あとからは主人公と無二の親友となるという役を熱演していた。
日本人の目から見ると、ちょっと日本が悪役過ぎるのではないかとどうしても思ってしまうけれど、実際はこれぐらい、あるいはこれ以上にひどいケースもあったのかもしれない。
嫌な日本人役を山本太郎が実によく似合って演じていた。
民族や戦争というものについて、あらためてこれを見ていたら、つくづくうんざりさせられた。