以前、光地英学「日本の仏舎利塔」(吉川弘文館)という本を読んだ。
いやぁ〜、面白かった。
この本は1986年の出版で120箇所ぐらいの仏舎利塔や仏舎利のある寺院の写真や紹介が収録されていた。
そのあと、この二十年ぐらいの間に、さらに増えた仏舎利塔もあるのかもしれない。
にしても、こんなに日本の各地に仏舎利塔があるのか・・・。
日本が不思議な国に見えてきた。
著者が言うには、本当の仏舎利には、お参りすると「霊動」、大きな感動があるそうな。
私は篠栗の南蔵院ぐらいしか仏舎利をまだお参りしたことがないけれど、たしかにそうなのかもしれない。
あと、この本に紹介されてたことだけれど、「分別善悪報応経」という経典によれば、仏舎利には以下の十の功徳があるらしい。
一、肉眼清浄を得る。
二、浄天眼を得る。
三、三毒を離る。
四、諸善法を得る。
五、聡明智慧を得る。
六、愚痴を遠離する。
七、黒闇の三塗に堕ちない。
八、尊貴自在。
九、諸天に往生する。
十、速やかに円寂を証する。
いいことづくめだが、たしかに仏舎利に礼拝するぐらいの仏法への熱意があり、それがきっかけで仏縁が深まってよく仏法を実践すれば、結果としてこういうこともありそうな気はする。
金光明経にも、仏舎利には、仏の無量の功徳、六波羅蜜功徳が薫ぜられていて、戒定慧が薫修されていると書かれているそうである。
うーん、そのうち、仏舎利塔めぐりドライブでもしたら、楽しいかもしれない。
耶馬溪仏舎利塔というのが耶馬溪にあるらしく、そこは浄土真宗の僧・島地黙雷が岩倉遣欧使節と一緒にインドに立ち寄ったときに得た仏舎利があるらしく、いつか行ってみたい。
また、奈良の正暦寺というお寺には、法然上人が持っていた仏歯が、法然上人の弟子の蓮光法師という人物によって伝えられたらしい。
ぜひ一度お参りしてみたいものだ。
法然上人のその仏歯は、白河院が持っていたものを俊成が得て、俊成から法然上人に伝わったとのこと。
うーん、なんだかすごい物語がその仏歯にはこめられていたのだろうな〜。
とりあえず、近場の仏舎利塔めぐりでもそのうちこの本を参考にしてしてみよう。
(その後、近辺の仏舎利塔を五、六ヶ所まわってみた。なかなか良い旅になる。少しずつ、全国各地の仏舎利塔を巡礼してみたい。)