以前、NNNドキュメントで「基地の町に生きて〜米軍再編とイワクニの選択〜」という番組があっていたので見た。
http://4ch.kry.jp/tv/ichioshi/2008/03/kry_5.html
動画も今は見れるようである。
http://www.veoh.com/browse/videos/category/entertainment/watch/v142121113sxsqWbf
(以下はその番組を見た時の感想)
岩国にある米軍基地をめぐる、住民の方々の声や、今までの経緯を特集したドキュメント番組があっていた。
ともかく騒音がひどいらしく、現時点で車第三区という基地の近くの住宅地域は、住民の七割が精神的・身体的な大きな悪影響にさらされているらしい。
しかも、これから空母艦載機の移転受け入れが進むことにより、さらにひどい騒音がもたらされることが必至だそうだ。
もともとは、基地付近の住民の騒音被害を緩和させるため、という触れ込みで推進されてきた沖合いへの基地拡張が、いつの間にか厚木などからのさらなる空母艦載機等の移転受け入れ先ということになってしまっているらしい。
NLPという、滑走路を空母の甲板に見立ててて、離着陸を何度も深夜に繰り返すという、とてつもない騒音を巻き起こす訓練も、地域住民の意向は無視されたまま、いつの間にやら県や市が受け入れの密約を米軍と結んでしまっていたらしい。
住民投票で岩国市が基地反対の世論を打ち出すと、それまで認めていた市庁舎の改装のための補助金34億円をいきなり国は凍結。
補助金凍結というムチによって地元世論に揺さぶりをかけ、基地賛成派の市長を当選させると、すぐに補助金を再開したとのこと。
露骨なアメとムチを国は岩国市に振るい続けている。
特にひどいなあと思ったのは、沖合いの基地拡張のための埋め立て用の土砂を、愛宕山という山を削ってつくるそうなのだが、その削った愛宕山の跡地をどうするかで、もともとは、新しい市営住宅をつくるという計画を市や国は示していたらしい。
それならばいいということで、土地をその山に持っていた人々は手放すことに応じたそうだ。
ところが、住宅需要が不振だという理由で、いきなりその計画は放棄され、なんと米軍の軍人向け住宅の開発に計画が切り替わったそうだ。
もともと、米軍用だとすれば、土地を売らなかったであろうと言っていた元地権者の方たちも多いようだ。
ほとんど詐欺ではないかと思う。
補助金の問題といい、米軍人用住宅の敷地の買い取り方といい、信義の問題として、国はあまりにもやり方が汚い気がする。
これがこの国の現状というものなのだろう。
自民党政府というのは、自国の国民よりも、米軍に額づき仕えることに全力を尽くすらしく、そのためには地元住民の意思を補助金のムチで切り崩し、土地の取得に詐欺まがいの行為をしても、なんら恥じないのだろう。
沖縄もひどいものだが、岩国の現状も大変なのだなあと思った。
もし、日米安保が必要だと国民が思うのであれば、沖縄や岩国にだけ負担を押し付けるのでなく、全国が均等に痛みを分かち合うべきだろう。
もしくは、日米安保が不要だと思うのであれば、岩国や沖縄に不要なものでいつまでも苦痛と犠牲を強いるべきではない。
沖縄や岩国の地域住民の苦痛やストレスを、少しは知るように、他の地域の住民も努めねば、あまりにも不公平だろう。
にしても、岩国って要するに山口県、つまりいにしえの長州の地だけれど、幕末の長州の志士たちが岩国の米軍基地や、米軍基地をめぐる国の政策を見たら、どう思うのだろう。
きっと卒倒するのではなかろうか。
何のための維新であり、何のための近代化であり、何のための国民国家であったのか。
岩国基地を見ていると、そんなことまでいろいろ思わされる。