絵本 「バラのぜんゆうさん」

バラのぜんゆうさん―ゆめ追う反戦地主 (沖縄平和絵本シリーズ)

バラのぜんゆうさん―ゆめ追う反戦地主 (沖縄平和絵本シリーズ)

沖縄の反戦地主の島袋善祐さんの物語。

ぜんゆうさんは、今はバラ園を営んでいる。
元々はもっと大きな土地を持っていたが、今はその多くが、基地として強制的に借り上げられている。


戦時中は家族とも戦争のためにひどい目にあい、命からがら生き延びた。
その上、収容所の中で、ぜんゆうさんのお父さんはある時、無理やりケガをした米兵に輸血するために血をおびただしく抜かれて、それ以来具合が悪くなり、間もなく亡くなった。


ぜんゆうさんは、決して土地の借り上げを認める印鑑を押さず、米軍と日本政府に自分の土地を返すように主張し続けてきた。


この絵本を読んでいて、本来ならば所有権というものは神聖なもので、その保護が優先されるべきだというロックの統治二論における社会契約説を思い出した。
考えてみれば、このロックの理論を本当に純粋に実行しようとしているのがぜんゆうさんで、それを踏みにじり続けてきたのが米軍と日本政府なのかもしれない。


沖縄の米軍基地の土地の地主には、中には不労所得で贅沢な暮しをしている寄生者みたいな人々もいるという話を聴く。
その一方で、このぜんゆうさんのように、いつの日か自分の土地を取り戻したい、そしてその土地にバラの花をいっぱい咲かせたい、と思い闘っている人々もいるのだということを、あらためて教えられた。


良い一冊だった。