
- 作者: たにしんすけ
- 出版社/メーカー: 女子パウロ会
- 発売日: 1982/07
- メディア: 単行本
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切支丹の伝説。
九州の西の方に島があり、作物がなかなか実らず貧しかった。
人々が神に祈ると、雪のようなものが天から降って来て、やがて多くの作物が実り、豊かな島になった。
しかし、豊かになると、人々は神を忘れ、逸楽や悪に耽るようになった。
丸じという村人に、神のお告げがあり、島にある狛犬(こまいぬ)の石像の眼が赤くなったら、島が洪水で沈むと言われる。
丸じは、村のみんなに伝えたが、みんな少しも信じず、聴かなかった。
丸じの話を信じたのは、足が生まれつき悪い丸じの兄と、狛犬の周りで遊んでいた六人のみなし子だけだった。
丸じは大きな木をくり抜いたくり船をつくった。
と、突然大洪水が起こり、足の悪いお兄さんは、自分を置いていくように言い、丸じたちは泣く泣くお兄さんを置いてくり船に向けて走った。
島は沈んでしまい、丸じと六人の子どもだけがくり船のおかげで助かった。
と、足の悪いお兄さんを背中に載せて、向こうから狛犬が泳いできて、お兄さんも無事に助かることができた。
丸じたちは無事に九州に辿りつくことができた。
という話。