利井鮮妙のことば

聴信阿弥陀 信称阿弥陀
自称還自聴 独喜阿弥陀
生称阿弥陀 死見阿弥陀
任他死生事 不離阿弥陀


(書下し)

阿弥陀を聴信し、阿弥陀を信称す。
自称、かえって自聴。独り阿弥陀を喜ぶ。
生きるときも阿弥陀を称え、死なば阿弥陀と見ゆ。
さもあらばあれ、死生の事。 阿弥陀を離れず。

(意訳)

阿弥陀様の御本願を聞きひらき、
本願念仏の南無阿弥陀仏を称える。

私が称えた南無阿弥陀仏が、
そのまま親の呼び声として私にとって“聞く念仏”となる。
だから、ひとりいる時も、ありがたくお念仏を喜ぶことができる。

生きている時は、阿弥陀様の尊いみ名を称え、
死ねば阿弥陀様に直接見える。

生きている時も、死んでからのことも、すべて阿弥陀様にお任せしてあるので、
何も憂いることはない。
この身には思い煩うことはない。

なぜならば、いついかなる時も阿弥陀様から離れることはないし、
阿弥陀様が私を決して離さないから。



(利井鮮妙)