現代語私訳『福翁百話』

現代語私訳『福翁百話』 第九章 「善いことは簡単で悪いことは実行するのが難しい」

現代語私訳『福翁百話』 第九章 「善いことは簡単で悪いことは実行するのが難しい」 世の中の人は、たとえ自分自身は善いことをしていないとしても、他の人からは自分に対して善いことをして欲しいと思うものです。 他人に悪口を言っているのに、自分が他人…

現代語私訳『福翁百話』 第八章 「善いことか悪いことかの基準は自分がして欲しいことかどうか」

現代語私訳『福翁百話』 第八章 「善いことか悪いことかの基準は自分がして欲しいことかどうか」 道徳とは、人間と人間の関係があって後に生じる事柄です。 たとえば、もし船が難破して無人島に漂着して、ただ一人だけその島に上陸した人がいたとすれば、そ…

現代語私訳『福翁百話』 第七章 「人生を気楽に生きていくための方法」

現代語私訳『福翁百話』 第七章 「人生を気楽に生きていくための方法」 第七章 「人生を気楽に生きていくための方法」(人間の安心) 宇宙の中に私たちの地球が存在するということは、たとえるならば、大きな海の中に浮かんだ小さなケシの種のようなものだと…

現代語私訳『福翁百話』 第六章 「宇宙への感謝の思いは起こすべきかどうか」

現代語私訳『福翁百話』 第六章 「宇宙への感謝の思いは起こすべきかどうか」 第六章 「宇宙への感謝の思いは起こすべきかどうか」 宇宙・大自然というものは、大いなるからくりで、神秘的な尊さをそなえた不思議なものです。 この地球の上のあらゆる物、人…

現代語私訳『福翁百話』 第五章 「原因と結果の法則」

現代語私訳『福翁百話』 第五章 「原因と結果の法則」(因果応報) 今まで述べてきたように天の定めた道理が真実であるとすれば、この宇宙のあらゆる物事の間に働く原因と結果の法則も真実で正確であることについて、疑うべきではありません。 私たち人間の…

現代語私訳『福翁百話』 第四章「将来の希望」

現代語私訳『福翁百話』 第四章「将来の希望」 第四章 「将来の希望」(前途の望) 天の定めたことは人間にとって道理にかなっているということはすでに述べました。 人間が思い通りにならないということは、人間の側の誤りや罪です。また、人間の側の力量や…

現代語私訳『福翁百話』 第三章「天の定めたことは人間にとって道理にかなっている」

現代語私訳『福翁百話』 第三章 「天の定めたことは人間にとって道理にかなっている(天道可なり)」 天と人間が向かいあうこの宇宙の中の、あらゆる現象の中で働いている法則、つまり自然の真理というものは、絶対的に真実なものです。 しかし、自然の真理…

現代語私訳『福翁百話』 第二章「天のつくったもの」

現代語私訳『福翁百話』 第二章「天のつくったもの」 宇宙の中のあらゆる物体は、常に動き変化して、その変化にしたがって生じたり滅したりして、始まりもなく終わりもなく、際限のないものです。 大地から立ち昇った水蒸気が、雲となって、雨となって、川と…

現代語私訳『福翁百話』 第一章「宇宙」

今日から、できるだけちょっとずつ、『福翁百話』の現代語訳をしていこうかと思う。 べつに原文も難しくはないのだけれど、いちおう現代人にはちょっと古めかしい明治の言葉づかいの部分もあるので、現代語訳にした方がなじみやすくはなると思われる。 何冊…