真宗大谷派のお坊さんで、中村薫さんという方がいて、随分前に一度だけ御話を聞いたことがあった。
たしか、鳥栖の九州龍谷短大で特別公開講演か何かがあって、そこで聞いたと思う。
だいぶ前に買っていたその方の『いのちの根源』(法蔵館)という本を、ふと昨日本棚から手にとって読み終えた。
靖国神社や部落差別などについて真宗の立場から論じてあって、真摯な本だった。
で、今日ネットで検索したら、一年ぐらい前の訃報を見つけた。
向こうはぜんぜんこっちを覚えていなかったろうけれど、そして私も長い間思い出すこともなかったのだけれど、深い御話をされる方だったと思い出す。
娘さんが自死されていて、私が聞いた時もその御話をしてくださっていた。
ネットにも、そうした御話を語られた法話の筆記が載っていた。
あらためて胸打たれるものがあった。
https://mjj.or.jp/katsudou/141213
落ち着く、というのは、地面に落ちて着いたということなのだろうか。
身の事実は誰も代わることができないということなのだろうか。
それでも、なおかつ生きていけるのが、念仏であり、如来の慈悲ということなのだろうか。
もう一つ、youtubeには十分ぐらいの中村薫さんの法話があって、亡くなる半年前の録画らしく、遺言のようにも思えた。
https://jodo-shinshu.info/2020/04/13/22534/
いろいろ多くの御本を書かれているようなので、そのうち少しずつ機会があったら読んでみたいと思う。