- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/02/03
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戦前の古い映画だけれど、とても面白い、良い映画だった。
1900年代初頭の中国を舞台にしたパール・バックの長編小説が原作。
主人公の貧しい農民・王龍(ワン・ルン)は、御屋敷につとめていた奴隷の阿藍(オー・ラン)と結婚する。
地道に真面目に働き、少しずつ土地を買い取り、人並みの生活がやっとできるようになる。
しかし、干ばつが原因で大飢饉が起こり、南方に避難する。
そこで散々な目に遭いながら、なんとか生きのび、革命騒ぎにも巻き込まれるが、その時にひょんなことから宝石を一袋手に入れる。
一躍大金持ちとなって故郷に帰り、もともと持っていた土地にプラスして多くの土地を買って、成功者となる。
しかし、王龍は、金持ちになると、若い美しい女性を第二夫人に迎え、息子ともケンカし、長年自分を支えてくれた親友も首にして、糟糠の妻の阿藍にも冷淡になる。
あわや家庭崩壊かという時に、イナゴの大群がやって来て、大飢饉の再来が予測される非常事態になる。
大学で農業を学びイナゴ対策について研究していた長男を中心に、父親と大喧嘩して軍人になると家を飛び出していた二男も帰って来て、王龍に首になっていた親友も戻って来て、王龍の必死の指揮のもと、村人が一丸となって協力して、なんとかイナゴの撃退に成功する。
正気を取り戻した王龍は、贅沢な屋敷を手放し、質素な暮らしに戻り、阿藍や息子たちや親友を再び大切にするようになり、自分自身もよく働くようになる。
息子の結婚式が行われる中、阿藍は王龍に看取られながら、亡くなる。
全編を通じて、寡黙でほとんどしゃべらないけれど、無私の愛を貫き続ける阿藍の人生に、ラストは涙なしには見れなかった。
原作はまだ読んだことがないのだけれど、たぶん映画以上に名作なのだろう。
いつか読んでみたいと思う。
長い人生を一瞬に味わったような、そんな不思議な感覚がするような名作だった。
やっぱり、人間、金持ちになりすぎると大切なものを見失い危険が高まるし、地道にまじめに働くのが一番なんだろうなぁ。