201×年、東洋の島国で、再び軍国主義者が政権を握り、タイムマシンを使って過去の思想家の思想についても検閲や弾圧を開始した。
そして、思想警察は、とんでもない文章を発見した。
「夫(そ)れ兵は不祥(ふしょう)の器、物或(ある)いはこれを悪(にく)む、故(ゆえ)に有道者(ゆうどうしゃ)は処(お)らず。
君子、居れば則(すなわ)ち左を貴(たっと)び、兵を用うれば則ち右を貴ぶ。
兵は不祥の器にして、君子の器にあらず。已(や)むを得ずしてこれを用うれば、恬惔(てんたん)なるを上なす。
勝ちて而(しか)も美ならず、而るにこれを美とする者は、これ人を殺すを楽しむなり。夫れ人を殺すを楽しむ者は、則ち以(も)って志を天下に得べからず。吉事には左を尚(たっと)び、凶事には右を尚ぶ。
偏将軍(へんしょうぐん)は左に居り、上将軍(じょうしょうぐん)は右に居る。喪礼(そうれい)を以ってこれに処るを言うなり。人を殺すことの衆(おお)きには、悲哀を以ってこれを泣き、戦い勝てば、喪礼を以ってこれに処る。」
思想警察:「総理、副総理、とんでもない文章を発見しました。読んでください。」
副総理:「漢字が多すぎて読めねえ。」
総理:「翻訳したまえ。」
思想警察:「それでは、以下に翻訳します。
軍隊というものは不吉なもので、人々は嫌がるものだ。
なので、まともな人は軍隊に依拠しないものである。
統治者は、平常時には正しいもの(左)を尊ぶが、軍隊を用いる際は悪(右)を尊ぶ。
軍隊は不吉なものであり、統治者の使うべき道具ではない。
やむをえず用いる場合は、淡々と執着しない方が良い。
勝っても良いものではないし、だというのに軍隊を良いものだとするものは、人を殺すのを楽しむものである。
人を殺すことを楽しむものは、世界に通用するものとはならない。
良いものごとは正しいものを尊ぶし、不吉なものごとは悪いものを尊ぶ。
軍隊でも将軍は右にいて、副将軍は左にいる。
つまり、葬式の作法に従っている。
戦争によって人を殺すことが多い軍隊は、悲しみの心を持つべきだし、勝っても葬式をすべきである。」
総理:「GHQに毒されたサヨク思想の典型だ!」
副総理:「あの手口をまねてだまらせろ!」
思想警察:「そのとおりにいたします!」
・・・
老子:「え、私がGHQに毒されたサヨクで、東洋の心を忘れた西洋かぶれだって?」
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