なすことを天に委ねるということ

箴言を読んでいて、なるほどと思うことがあった。


Commit to the Lord whatever you do,
and he will establish your plans.
(Proverbs 16.3)


あなたのなすべき事を主にゆだねよ、
そうすれば、あなたの計るところは必ず成る。
箴言 第十六章 第三節 口語訳)


あなたの業を主にゆだねれば
計らうことは固く立つ。
箴言 第十六章 第三節 新共同訳)


あなたのなすことを主に委ねなさい。
そうすれば、あなたの計画は達成される。
箴言 第十六章 第三節 自分訳)


ゴル・エル・アドナイ・マアセーハ・ヴェイコーヌ・マフシェヴォテーハ


自分の仕事を大きなはからいに任せれば、目指すことは実現する。
という意味だろう。


人事を尽して天命に任せる、ということはよく日本でも言われるが、若干似ているのかもしれない。


主に任せる、つまり天のはからいにコミットするというのは、ただ単に何もせずにぼーっとしたり、手抜きして済ますということではなく、それこそ全身全霊を尽して神に仕える心地で己のなすべきことをすることでもあるのだと思う。


そのうえで、結果に拘泥せず、結果は神が決めることだと恬淡とした境涯に安んじるということだろう。


夏目漱石が言った則天去私ということも、そういうことなのかもしれない。


菅さんが首相当時、座右の銘にしていたという「なりゆきを決然として生きる」というのも、似たようなことなのかもしれない。


西郷隆盛の遺訓を読んでいても、天命に仕え、天命に安んじることが繰り返し説かれる。
広瀬淡窓の本もそうだ。
洋の東西を問わず、達人というのは、このような心境なのだろう。


この言葉を繰り返し読んで、少しでもそのような境地を少しずつ自分も持てるようになりたい。