関電の電力に関して、原発抜きでも電力は足りるという話を私たちは再稼働反対派からしばしば聞いてきた。
しかし、大飯原発再稼働がなかった場合の最大電力2542万kwだが、
http://www.kouiki-kansai.jp/data_upload/1337148860.pdf
7月18日の最大供給電力は2555万kwにすでに達した。
https://twitter.com/study2007/status/225523600613064704/photo/1
ということは、原発を再稼働していなかった場合、すでに電力使用率は100%を超えていた、ということになる。
もちろん、再稼働していなければもっと節電していたという仮定も成り立つ。
また、使用率が100%になっても、即停電というわけではないともいう。
なので、これをもってすぐに再稼働反対のデモや議論が間違っているとは言えない。
しかし、これからさらに、夏の暑さは増していくわけであり、電力使用は増えていくと思われる。
私も心情としては、再稼働反対のデモには共感もするし、脱原発をはっきり打ち出す必要はあると思う。
野田さんが、菅さんと比べて脱原発について腰が引けているように思われるのは、遺憾とも思う。
ただし、こと原発再稼働に関しては、野田さんは野田さんなりに、諸般の事情を考えて、苦渋の選択をしたとも言えると思う。
仮に大停電が起こった場合、医療機関等で人命に危険が生じることは言うまでもない。
野田さんに対して、小沢派等が悪口雑言を連ねているが、野田さんは野田さんなりに国民の生命や安全に責任感を持っての苦渋の決断をしたとも言えるのではないか。
脱原発派・原発再稼働反対派は、たしかにデモも立派なことだし、この暑い中、デモの現場に足を運んで声をあげるのは、大変な労力と勇気がいることだと思うし、心情には共感するが、ただ野田政権の打倒を叫ぶのではなく、
節電やライフスタイルの変更を地道に呼びかけ、自ら実践し、周囲に波及させることこそ、まずは喫緊に大事なことではないか。
特に、関電管内の電力使用を、原発抜きの場合の電力供給量に押さえるように呼びかけることは、いま喫緊に大事なことであろう。
しかし、あまりそうした声を聞かない気がする。
一方、仮に苦渋の決断で原発再稼働を野田さんが決断したとしても、それは今回のあくまで一時的なことであるべきで、菅さんが地道に提起しているように、早い段階での脱原発を日本が達成できるように、中長期的なしっかりとした道筋を定め、再エネや節電のための具体的な施策を提起し、実現していくことが必要だろう。
国民が何よりも野田政権に対して不信を持っているのは、中長期的な脱原発へのビジョンが見えないからであり、そのために原発再稼働の決断が単に原発ムラに取り込まれているのではないかという危惧や不信を抱かせているのだと思う。
私は、べつになんら自慢にはならないけれど、菅さんの脱原発政策を支持してきた手前、昨年の夏は、自宅では一度も冷房を使用しなかった。
今年も、今のところそうである。
もちろん、無理して熱中症になるのは本末転倒なので、各自自分の体調にあった形で節電を行うべきとは思うが、政府を批判するならば、まず身自ら実践すべきというのは、物事の道理として、いたって当然のことだと思うし、その実践をどれだけ広げ深めていけるかが、野田さんに対して悪口雑言を言うよりも、まずは大事なことではなかろうか。
原発再稼働反対のデモの高まりも、野田さんの側も、それぞれに言い分はあると思う。と同時に、それぞれにもっと努力すべきことがあると思う。