菅氏 脱原発を衆参選挙争点に
http://jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012060300003
原発問題は二大政党の国政選挙の争点になりにくいということは従来指摘されてきた。
というのは、民主党の内部でも、自民党の内部でも、原発については賛否両論さまざまな意見があり、意見の集約がとれていないことがあるし、
また、自民党は電力会社から、民主党は電力関係の労組から、多額の献金をもらっている議員が多数いる以上、なかなか脱原発に舵を切りにくいからである。
その点、菅さんは、電力利権と無関係な、珍しい政治家。
だからこそ、こうしたことも思い切って言うことができるのだろう。
菅さんが首相の当時、電力利権にメスを入れようとしたがために、非常に強力な菅降ろしがなされた。
現場視察のためにベントが遅れただの、菅さんの指示で海水注入が遅れたのだのということが言われたが、両方とも全くのデマだったことが後日明らかになった。
自分の頭で考えることができず、デマや流言飛語に流されることは、人間として恥ずべきことである。
また、311の震災の後、東電が撤退を具申したのを、菅さんが東電に乗り込んで一喝し、そのおかげで原発からの撤退が避けられたと言われている。
この点に関しては東電側が否定して、今もって意見が分かれているが、仮に東電の撤退具申が本当であり、首相がそれをそのまま認めた場合、福島の原発事故の規模はさらに大きくなり、首都圏三千万人が移住しなければならない事態になっていたかもしれない。
実際、メドベージェフは、シベリアに日本の移民を受け入れる用意があると当時表明しており、首都圏三千万人移住は十分にありえることだった。
そのような最悪の事態が避けられたのは、ひとえに菅さんの決断のおかげだったと言える。
根拠もなく恩人に対して悪口雑言を言うほど人間として恥ずべきことはない。
そもそも、あれほどの国難に際して、自国の首相を支えることもできず、悪口雑言ばかり言う人間こそが、最も愛国心の欠如した人間であろう。
残念ながら、今もってそのような人間が、もろもろのブログなどを見ていると、随分多いようである。
電力利権から自由な立場で、明確に脱原発を掲げているという点で、菅さんは貴重な政治家の一人であり、心ある国民であれば、支えるべきと思う。
菅さんが首相だった時も本当はそうだったけれども、不幸にしてデマに流され、知性や勇気の欠如でそうできなかった人々は、かなりさまざまな情報が明らかになってきた今、いいかげんに事故調の報告書などを自分自身でしっかり読んでそろそろ考え直すべき時ではなかろうか。