増支部経典　第二集　第十　愚者品

一、比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
誰をか二とす。
一は時来たらざるに荷を運ぶ人と、他の一は時来たりて荷を運ばざる人となり。
比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
二、比丘衆よ、これらの二は智者なり。
誰をか二とす。
一は時来たるとき荷を運ぶ人と、他の一は時来らざれば荷を運ばざる人となり。
比丘衆よ、これらの二は智者なり。
三、比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
誰をか二とす。
一は許されざるものを許されたりと想う人と、他の一は許されたるものを許されずと想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
四、比丘衆よ、これらの二は智者なり。
誰をか二とす。
一は許されざるものを許されずと想う人と、他の一は許されたるものを許されたりと想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は智者なり。
五、比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
誰をか二とす。
一は無犯を犯と想う人と、他は犯を無犯と想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
六、比丘衆よ、これらの二は智者なり。
誰をか二とす。
一は無犯を無犯と想う人と、他は犯を犯と想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は智者なり。
七、比丘衆よ、これらは二の愚者なり。
誰をか二とす。
一は非法を法と想う人と、他は法を非法と想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
八、比丘衆よ、これらは二の智者なり。
誰をか二とす。
一は非法を非法と想う人と、他は法を法と想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は智者なり。
九、比丘衆よ、これらは二の愚者なり。
誰をか二とす。
一は非律を律と想う人と、他は律を非律と想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は愚者なり。
十、比丘衆よ、これらは二の智者なり。
誰をか二とす。
一は非律を非律と想う人と、他は律を律と想う人となり。
比丘衆よ、これらの二は智者なり。
十一、比丘衆よ、二人の漏は増す。
誰をか二人とす。
一は悔ゆべからざるを悔ゆる人と、他は悔ゆべきを悔いざる人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増す。
十二、比丘衆よ、二人の漏は増さず。
誰をか二とす。
一は悔ゆべからざるを悔いざる人と、他は悔ゆべきを悔ゆる人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増さず。
十三、比丘衆よ、二人の漏は増す。
誰をか二人とす。
一は許されざるを許されたりと想う人と、他は許されたるを許されずと想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増す。
十四、比丘衆よ、二人の漏は増さず。
誰をか二とす。
一は許されざるを許されされずと想う人と、他は許されたるを許されたりと想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増さず。
十五、比丘衆よ、二人の漏は増す。
誰をか二人とす。
一は無罪を罪と想う人と、他は罪を無罪と想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増す。
十六、比丘衆よ、二人の漏は増さず。
誰をか二とす。
一は無犯を無犯と想う人と、他は犯を犯と想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増さず。
十七、比丘衆よ、二人の漏は増す。
誰をか二人とす。
一は非法を法と想う人と、他は法を非法と想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増す。
十八、比丘衆よ、二人の漏は増さず。
誰をか二とす。
一は非法を非法と想う人と、他は法を法と想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増さず。
十九、比丘衆よ、二人の漏は増す。
誰をか二人とす。
一は非律を律と想う人と、他は律を非律と想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増す。
二十、比丘衆よ、二人の漏は増さず。
誰をか二とす。
一は非律を非律と想う人と、他は律を律と想う人となり。
比丘衆よ、これら二人の漏は増さず。