増支部経典 第二集 第十一 希望品

支部経典 第二集 第十一 希望品


一、比丘衆よ、これら二の希望は断ち難し。
何をか二とす。
利得の希望と、活命の希望なり。
比丘衆よ、これら二の希望は断ち難し。
二、比丘衆よ、これら二人は世の中に得難し。
誰をか二人とす。
一は先に恩を施す人と、他は恩を知り恩に感ずる人なり。
比丘衆よ、これら二人は世の中に得難し。
三、比丘衆よ、これら二人は世の中に得難し。
誰をか二人とす。
満足せし人と、満足さす人なり。
比丘衆よ、これら二人は世の中に得難し。
四、比丘衆よ、これら二人は満足させ難し。
誰をか二人とす。
一は得るにしたがって蓄うる人と、他は得るにしたがって捨つる人なり。
比丘衆よ、これら二人は満足させ難し。
五、比丘衆よ、これら二人は満足させ易し。
誰をか二人とす。
一は得るにしたがって蓄えざる人と、他は得るにしたがって捨てざる人なり。
比丘衆よ、これら二人は満足させ易し。
六、比丘衆よ、これらは貪の生ずるための二縁なり。
何をか二とす。
浄相と、非理作意なり。
比丘衆よ、これらは瞋の生ずるための二縁なり。
七、比丘衆よ、これらは貪の生ずるための二縁なり。
何をか二とす。
瞋相と、非理作意なり。
比丘衆よ、これらは瞋の生ずるための二縁なり。
八、比丘衆よ、これらは邪見の生ずるための二縁なり。
何をか二とす。
他よりの声と、非理作意なり。
比丘衆よ、これらは邪見の生ずるための二縁なり。
九、比丘衆よ、これらは正見の生ずるための二縁なり。
何をか二とす。
他よりの声と、如理作意なり。
比丘衆よ、これらは正見の生ずるための二縁なり。
十、比丘衆よ、これらは二の犯なり。
何をか二とす。
軽犯と、重犯なり。
比丘衆よ、これらは二の犯なり。
十一、比丘衆よ、これらは二の犯なり。
何をか二とす。
麤重犯と、非麤重犯なり。
比丘衆よ、これらは二の犯なり。
十二、比丘衆よ、これらは二の犯なり。
何をか二とす。
有余犯と、無余犯なり。
比丘衆よ、これらは二の犯なり。