増支部経典 第二集 第十二 希求品

支部経典 第二集 第十二 希求品


一、 比丘衆よ、信心ある比丘は希求するに、かくの如く正しく希求すべし、我は舎利弗および目犍連の如くあらん、と。
比丘衆よ、彼等舎利弗および目犍連は我の比丘弟子の秤なり、量なり。
二、 比丘衆よ、信心ある比丘尼は希求するに、かくの如く正しく希求すべし、我はケーマー比丘尼およびウッパラヴァンナー(蓮華色)比丘尼の如くあらん、と。
比丘衆よ、彼等ケーマー比丘尼および蓮華色比丘尼は我の比丘尼弟子の秤なり量なり。
三、比丘衆よ、信心ある優婆塞は希求するに、かくの如く正しく希求すべし、我は質多(チッタ)居士および呵哆阿阿羅婆(ハッタカアーラーヴァカ)の如くあらん、と。
比丘衆よ、彼等質多居士および呵哆阿阿羅婆は、我の優婆塞弟子の秤なり量なり。
四、比丘衆よ、信心ある優婆夷は希求するに、かくの如く正しく希求すべし、我は久寿多羅(クッデュッタラー)優波夷およびヴェールカンタキーの難陀母の如くあらん、と。
比丘衆よ、彼等久寿多羅優波夷およびヴェールカンタキーの難陀母は、我の優婆夷女弟子の秤なり量なり。
五、比丘衆よ、二法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
何をか二とす。
捜(さぐ)らず究めずして毀嗤すべき人を称讃し、捜らず究めずして称讃すべき人を毀嗤す。
比丘衆よ、これらの二法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し、失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
比丘衆よ、二法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
何をか二とす。
捜り究めて毀嗤すべき人を毀嗤し、捜り究めて称讃すべき人を称讃す。
比丘衆よ、これらの二法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
六、比丘衆よ、二法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
何をか二とす。
捜(さぐ)らず究めずして信認すべからざるところをあえて信認し、捜らず究めずして信認すべきところをあえて信認せず。
比丘衆よ、これらの二法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し、失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
比丘衆よ、二法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
何をか二とす。
捜り究めて信認すべからざるところをあえて信認せず、捜り究めて信認すべきところを信認す。
比丘衆よ、これらの二法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
七、比丘衆よ、二において邪に行う愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
何をか二とす。
母と父となり。
比丘衆よ、これらの二において邪に行う愚者、不明なる不善人は、損傷し、失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
比丘衆よ、二法において正しく行う智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
何をか二とす。
母と父となり。
比丘衆よ、これらの二法において正しく行う智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
八、比丘衆よ、二において邪に行う愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
何をか二とす。
如来如来の弟子なり。
比丘衆よ、これらの二において邪に行う愚者、不明なる不善人は、損傷し、失壊したる自己を保護す、また罪あり、智者の呵毀する所なり、また多の非福を生ず。
比丘衆よ、二法において正しく行う智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
何をか二とす。
如来如来の弟子なり。
比丘衆よ、これらの二法において正しく行う智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護す、また罪なく、智者に呵毀せられず、また多の福を生ず。
九、比丘衆よ、これらは二法なり。
何をか二とす。
自心の清浄と、世の中の所有する物を執らぬとなり。
比丘衆よ、これらは二法なり。
十、比丘衆よ、これらは二法なり。
何をか二とす。
忿と、恨なり。
比丘衆よ、これらは二法なり。
十一、比丘衆よ、これらは二法なり。
何をか二とす。
忿調伏と、恨調伏なり。
比丘衆よ、これらは二法なり。