善導大師『阿弥陀如来を観想する教えの入口』(観念法門) 第三十八節

善導大師『阿弥陀如来を観想する教えの入口』(観念法門) 第三十八節



阿弥陀如来の御本願によって間違いなく往生させていただくと知り、さまざまな仏たちがそのことを証明しておられると知っていく縁」(証生増上縁)


第三十八節


また、阿弥陀如来の御本願によって間違いなく往生させていただくと知り、さまざまな仏たちがそのことを証明しておられると知っていく縁(証生増上縁)とは何でしょうか。

質問します。
今すでに阿弥陀如来は四十八の誓願をし、あらゆる生きとし生けるものを摂取して浄土に往生させることができたと言いますが、どのような者たちを摂取して往生させることができたのかということをまだ知りません。
また、これはいったい誰が浄土に往生することを保証しているのでしょうか。


答えます。
観無量寿経には以下の意味のことが説かれています。
釈尊韋提希夫人におっしゃいました。「あなたは知っていますか。阿弥陀如来はここからそんなに遠くにおられるわけではありません。あなたはぜひとも想いを集中して、はっきりと浄土を観想すべきです。そうすれば、浄土に往生するための清らかな行いが成就します。また、未来の世に生きるあらゆる凡夫たちも、西方極楽浄土に往生することができることでしょう。」と。
今、この経典の一節も証明となります。
釈尊が入滅された後の凡夫は、ただ、阿弥陀如来の御本願の働きのおかげで間違いなく往生することができます。
これがつまり、阿弥陀如来の御本願によって間違いなく往生させていただくと知り、さまざまな仏たちがそのことを証明しておられると知っていく縁(証生増上縁)です。